医師61人の採用を実現した積極的トップセールス―富士重工業健康保険組合 太田記念病院(後編)

 

オフォーを受けたら遠方でも1週間以内に現地で面接

太田記念病院(佐藤吉壮院長)― 9年間で医師61人を採用できた理由は何でしょうか。

佐藤院長
採用ルートいかんにかかわらず、少しでも脈がありそうな応募者にはわたし自身が積極的に出向いて会うようにしています。当院がどのような病院か伝えるのが重要だと考えています。待遇や経験可能な症例について話すだけでなく、アクセスの悪さなど負の側面についても包み隠さずお話しします。

大川部長
遠方からの問い合わせでも、オファーがあったら1週間以内には院長かわたしが現地でお会いしていますね。訪問先は、この2―3年だけでも北は北海道から南は沖縄と幅広いです。積極的に訪問するのは大学医局に対しても同様ですね。こちらから会いに行く行為そのものが、当院の期待度を示すメッセージになっています。

― スピーディな対応ですが、どのように採用業務を行っているか教えていただけますか。

佐藤院長
問い合わせがあると1―2時間以内には大川部長からわたしのところへメールで連絡が入りますので、すぐに日程を調整します。採用の最終決定は、病院見学を兼ねて来院していただき、院長・管掌副院長・診療科部長・看護部長・人事部長の5人で行います。他にも決めるべきことが出てくれば、事務室の隅でもどこででも集まってすぐに話し合っています。

― 佐藤院長と大川部長の距離が近く、円滑なコミュニケーションが取れているようですね。

佐藤院長
わたしは小児科医長として入職して以来、30年間この病院で勤務しています。採用人事には2002年に副院長を拝命してから関わり始めていますが、院内職員研修では1990年頃から関わっており、大川部長とはその頃からの付き合いになります。

太田記念病院(大川恵一部長)大川部長
院長はわたしだけに限らず、院内の職員とは円滑にコミュニケーションを取っています。院長から職員に用事があるときは院長が出向くといった、普段からのフットワークの軽さは大きいと思います。これに加えて年2回、診療科を中心に大がかりな面接も行っています。そのため、職員がいま何を考えているか、院長はよく把握しています。

佐藤院長
面接は、各科の部長・医長・師長から、薬剤部や医事課、購買課などの部課長に至る全てのヘッドと行っています。医師30人を含め60人ほどですね。こちらが望むことをダイレクトに伝えるとともに、職員の現状や将来に向けてどのようなことを考えているのかなど聞き取ります。風通しを良くして皆でアイデアを持ち寄ることが、当院の進歩・向上へつながると信じています。

今後は110人くらいまで医師数を増やし、質の高い医療を深く広く提供し続けていきたいと考えています。当院はDPCⅢ群に属していますが、機能評価係数は前年度から大きく伸びています。400床の病院ですが、Ⅱ群(大学病院本院に準じる病院)入りも夢ではない。「いつか北関東一番の病院にしたい」と思って日々の業務に邁進しています。

【太田記念病院 採用のポイント】
●病院としての特色を出すことで大学医局や研修医にアピールする
●院長がフットワーク軽く、応募者や医局に積極的なトップセールスを行う
●院長と部長が円滑にコミュニケーションを取ることでスピーディに動く
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