【医師採用】「いつの間にか他院に入職」を防ぐには?

「ついに来た医師からの応募。履歴書を診療部長や院長に確認してもらったところ高評価を得ることができたのに、いざ面接の連絡を応募医師にしてみたら、既に他院への入職が決まってしまっていた」―。

書類選考や面接の段階で、採否の判断に時間を取られた結果、他院に先を越されてしまう懸念は常にあります。求職者対応をスピーディに行い、こんな残念な事態に陥らないためには、何が必要なのでしょうか。

知っておきたいポイント:医師が面接を受けるのは平均1.7件

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医師の採用にスピード感が求められる理由として知っておきたいのは、「転職活動中の医師は、迅速な意思決定を好んでいる」という事実です。

エムスリーキャリアのデータによると、医師が転職先を決めるまでに面接を受ける回数は平均1.7回。

転職に当たり複数の医療機関で面接を受けないケースも多く、転職活動自体に、あまり多くの時間を割かない医師が多いことが分かっています。

特に働きながらの転職活動では、医師自身、情報収集や医療機関とのやりとりにあまり多くの時間を割けないのが実情です。そのため、人脈をたどって魅力的な医療機関があれば比較検討に時間をかけせずに即決したり、詳細な情報収集は人材紹介会社に依頼し、希望条件にマッチした医療機関を絞り込んでもらい、面接を受ける医療機関を吟味したりしているケースが多く存在します。

「採否の判断に時間がかかる」は誤ったメッセージにも

a0001_009307もちろん、医師の採用は病院経営にかかわる部分であるため、慎重な判断が求められます。

また医師の専門性の評価は非常に難しく、いかに院内の関係者から高評価とコンセンサスを取りつけるかは、重要な要素です。 選考に時間がかかってしまう場合は、院内での意思決定フローについて、応募してくれた医師に素直に説明し、採否の判断に時間がかかることを伝えておくのも一つの手ではあります。

ただ、採否の判断にあまりに時間がかかり過ぎると、応募した医師自身が、「この医療機関に自分はあまり必要とされていない」「きちんと受け付けてもらえていないのでは…」ととらえ、貴院の志望度を下げてしまうことも。そんなとき、もしも他の条件の合う医療機関でスピーディに選考が進んでいたら、医師はそちらで即決してしまうこともありえます。

スピーディに医師を採用するには?―書類選考、面接…各ステップのハードルのすり合わせを

しかし逆にいえば、「スピーディな対応をしてくれる医療機関だ」と応募してくれた医師に思わせることができれば、それだけで医師からの志望度を上げることができるのです。

採否の判断の意思決定が早い医療機関に共通して言えることは、書類審査・面接時の採否基準について、医師採用担当者と院長や診療部長の間ですり合わせられていること。 特に欠員が生じた場合や、規模拡大によりどうしても医師を取らなければならない場合は、事前に「応募があったらとりあえず面接を組む方向で調整する」「面接に医師の年齢層、この資格を持っていたら面接に進んでもらう」など、書類段階での採否基準を明確にすることで、医師から応募があったら医師採用担当者がスムーズに面接日の設定に向けて動き出すことができます。

また、医師の面接時にチェックする内容や、あらかじめ聞いておくべきことや伝えておくべき項目を整理しておけば、面接が終了した時点ですぐに最終的な採否を決定することができるようになります。

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