【医療機関向け】労働時間不足による収益減への対応策



収益を改善する方法は大きく分けて2つ

労働時間不足による収益減の対応策は大きく分けて2つです。
1つ目は、医師数を変えず生産性を改善する方法、2つ目は新規の医師採用を行う方法です。
本日は、この2つの方法についての基本的な考え方をおさらいしたいと思います。

医師数はそのまま、生産性を改善する方法

医師数を変えず生産性を改善する方法ですが、この中でも大きく2つに分けられます。

一つが、売上改善可能性が高い取り組みに重点を置く方法。
もう一つがタスクシフトやタスクシェアを推進する方法です。
まず一つ目の、売上改善可能性が高い取り組みに重点を置く方法についてみていきましょう。

売上改善可能性が高い取り組みに重点を置く

売上改善可能性が高い取り組みに重点を置くためには、限られた労働時間の中でどの医師をどのように配置すべきかを検討が必要です。

売上を構成する要素として、手術、投薬、リハビリ、外来、また全体にまたがる各種加算がありますが、自院の売上を維持するために、自院は今どの項目に重点を置くべきなのか方向性を明らかにする必要があります。

集患の観点では外来が非常に重要ですが、それよりも「いまは入院を対応できる医師が減ってしまうことを避けたい」など、現在の状況を踏まえた方針が様々あるかと思います。

外来を非常勤医師に任せるのか?
他の科の診療科医師に病棟管理をお願いできないか?
最も生産性の高い優秀な医師はどこに配置すべきか?

等、自院の状況を見ながらいま取れる最善の対応方針をまずは見極めることが必要です。

その方針を踏まえた上で、売上改善をしていく中でもクリニカルパスがしっかり運用されているかは大事なポイントです。

クリニカルパスが標準化され、病院内での共通認識ができていると、医師が患者対応により多くの時間を割くことができるため結果的に売上の改善につながります。

クリニカルパスを標準化するためには病院内での協議が必要となりますが、一度運用に乗れば病院全体での連携が非常にスムーズになりコミュニケーションストレスも軽減できます。

最初から完璧なものを作り上げようとせず、まずは身近な人どうしでの小さな単位のコミュニケーションを体系化してみてください。

タスクシフト・タスクシェア

続いての方法は、タスクシフト・タスクシェアです。

よく聞かれる方法かと思いますが、そもそも現在の自院の状況と照らし合わせ、本当に運用が可能なのか、または運用することによって本当にメリットがあるのかをしっかり見極める必要があります。
ここでタスクシフト導入のメリットデメリットを見ていきましょう。

まずメリットですが、
・看護師や医療クラークへ仕事を割り振ることができ診療できる時間が増える
・医師事務作業補助者を一定配置することで加算が取れる
などがあげられます。

一方忘れがちなデメリットですが、
・役割を決定したとしてもフローに落とし込んでいないために運用フローが機能していない
・医師事務作業補助者を導入したにもかかわらず、医師との作業が二重になっている
・採用確度を確かめず採用に踏み切ったため、費用だけが掛かって人員の採用ができない
・理想のフローをそのまま当てはめてしまい、逆に対応時間がかかり対応精度も落ちてしまっている
などがあげられます。

メリットは容易に想像がつきますが、デメリットは忘れがちです。
現在の自院の状況と照らし合わせて、「本当に今導入すべきか」を一度検討してみるとよいでしょう。

新規の医師採用を行う方法

新規の医師を採用する方法について。

新規の医師採用と一言に言っても、常勤医師を採用するのか非常勤医師を採用するのか、方針決定が必要です。

常勤医師を採用するのであれば、病棟管理をはじめとした幅広い業務をお任せできる点、または1名入職が決まれば大きな労働時間の確保となる点がメリットです。
しかし、非常勤医師と比べて採用難易度が高く、入職時期が定まらないため、売上改善の計画に盛り込むのは少々リスクがあります。

一方非常勤医師は、常勤医師にくらべて採用難易度が低く確保が容易ですが、任せられる業務に限りがある点、または同じ労働労時間の常勤医師と比べて費用がかさんでしまう点がデメリットとなります。

どの医師を、どこに配置するためにどう採用するのか?市場の採用難易度を参考にし、方針決定が必要となります。
また弊社では、エリアや診療科による採用確度の診断を行っております。医師採用をご検討の際はお気軽にご連絡ください。


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