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宿日直許可とは
宿日直許可とは、一定の基準を満たしていると労働基準監督署長に認められた場合、労働時間のカウントから除外される制度です。
宿日直として認められる基準としては、
・通常の勤務時間の拘束から完全に解放された状態であること
・特殊の措置を必要としない軽度の又は短時間の業務であること
・夜間に十分睡眠がとり得ること
などがあげられます。
今回は、この宿日直許可のキホン的な概要と、取得の重要性を中心に説明します。
取得可能範囲
宿日直許可は、宿直や日直に当たる時間帯すべての取得のみというわけではなく、一部の時間帯、一部の診療科、一部の職種での部分的な取得が可能です。
宿直時間帯に当たる18時~9時のうち、0時~5時のみ取得というパターンも可能です。
取得の注意点
取得の際には勤務回数の制限があります。
宿直は週1回、日直は月1回を基本的な上限としています。
仮に現在、宿直週2回以上、日直月2回以上勤務している医師の場合、宿日直許可申請のためにシフトを調整する必要があります。
ただし、僻地やその他の特殊な事情で医師の確保が難しい場合、勤務回数の上限に例外が認められるケースも存在します。
申請方法
申請方法は、大きく分けて3ステップです。
1.まずは指定の様式に従って労働基準監督署へ申請書を提出し、
2.その後、労働基準監督署による実施調査が行われます。
3.その後、許可証の交付
という流れです。
取得事例
一つ具体的な許可事例をご紹介します。こちらの病院は350床の二次救急の病院です。
救急等でも、対象業務が特殊の措置を必要としない軽度のまたは短時間の業務ということで許可された事例になります。
取得できた時間帯は宿直18時~9時、日直は9時~18時です。いずれも、週1回、月一回の条件を満たしています。
その他の具体的な事例は別の記事で詳しくご紹介します。
大事なポイント
そして最後に、大事なポイントをお伝えします。
宿日直許可は、出来るだけ多くの時間を取得するようにしてください。
繰り返しになりますが、宿日直許可は労働時間のカウントから除外されるため、時間外労働上限960時間または1860時間のカウントから除外されます。
宿日直許可が取得出来れていれば、医師も労働時間の上限のカウントを気にせず勤務が可能ですが、取得できていない時間がある場合、労働時間上限の理由で勤務ができなくなる可能性があります。
診療体制の維持のためにも、1時間でも多く取得することをお勧めいたします。