【医療機関向け】面接指導実施のキホン


目次


面接指導の概要と目的

まず、面接指導の制度概要についてご説明します。
面接指導とは、一般の労働者について限度時間を超えて労働させる場合に求められる追加的健康措置の一つです。
月間の時間外、休日労働時間が100時間を超えた医師に対して、面接指導を行う必要があります。

面接指導は、月間100時間を超える前に疲労や睡眠の状況を確認し、100時間を超える前に面接指導の日程決定が必要です。
その際、一定の疲労が認められる場合は、100時間を超える前に面接指導を行う義務があります。

またこちらの面接指導は、産業医面談と混同されがちですが全く別物となります。ご注意ください。

期待されるメリット

面接指導を適切に行うことにより、医師、医療機関双方にとってのメリットが期待されます。

面接指導実施による医師へのメリット例として
・自分の健康や働き方を見直す機会を得ることができる
・健康管理、労働時間管理の助言を得ることができる
・働き方を改善する方法について学ぶことができる
・行動変容ができる
などがあげられます。

一方医療機関側のメリットとして
・面接指導実施医師からの意見に基づき就業上の措置を決定でき、安全配慮義務を履行できることがあげられます。

医師の心身を健康に保つことは、自院の診療体制を良い状態に保つことに直結します。
長時間労働が発生する頻度が高い場合、今のうちから面接指導を漏れなく実施できるよう体制を整えておくことが重要です。

面接指導の役割

面接指導を実施できる医師の条件ですが、専用のイーラニングを受講しテストに合格している必要があります。
合格したのち終了証を受領します。

また、勤務先の院長などの管理者は面接指導実施医師を指名する立場のため、自身が面接指導実施医師になることはできません。
直属の上長などもできるだけ避けるようにしましょう。

すでに産業医資格を保有していても、イーラーニングの受講等~終了証の受領までのすべてのステップを踏む必要があります。

実施から完了までの流れ

最後に、実際の面接指導実施から完了までの流れを見ていきましょう。

まずは面接指導実施前に、チェックリストで対象医師の疲労度を把握し、面接指導の日程を決定します。
Step2では決定した日程に面接指導を実施し、①勤務の状況②睡眠負債の状況③疲労の蓄積状況④心身の状況等について確認します。

その後、報告書や意見書を作成し、管理者に提出してください。
管理者は、報告書の内容を元に必要に応じた就業上の措置や職場環境の改善を行います。
面接指導を実施するだけではなく、Step4の改善までを必ずワンセットにし確実に完了させるようにしましょう。


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