
DPCコードは、DPC/PDPS(診断群分類包括評価)における患者の診断群分類を決定する重要なコードです。本記事では、DPCコードの基本的な仕組みを解説します。
DPCコードとは
DPCコードは、DPC/PDPS(診断群分類包括評価)制度の根幹をなす14桁のコードです。患者の傷病名や行われた手術・処置などに応じて決定され、このコードに基づいて1日あたりの入院費(診療報酬)が決まります。病院経営において、このDPCコードの理解は不可欠です。
DPCコード導入の目的とメリット
DPCコードの導入は、医療の透明性を高める目的があります。全国のDPC対象病院から同じ形式でデータが収集されるため、自院の診療内容や経営状況を他院と比較(ベンチマーク分析)することが可能です。 このデータを分析することで、自院の強み・弱みを客観的に把握し、経営改善のアクションに繋げられる点が大きなメリットです。
DPCコードの仕組み
DPCコードは14桁の数字で構成され、それぞれが患者の医療情報を示しています。この構成を理解することが、適切なコーディングと経営分析の第一歩です。
- 1〜6桁目:診断群分類番号(DPC6桁)
- 主要な傷病名を示します。MDC(主要診断群)と呼ばれる2桁の分類から始まり、より詳細な傷病名へと細分化されます。
- 7〜12桁目:手術・処置など
- 入院期間中に実施された手術や処置、定義副傷病名などの有無を示します。この部分の組み合わせによって、点数が大きく変動することがあります。
- 13〜14桁目:重症度・年齢など
- 重症度や年齢、出生時体重といった患者の状態を示す情報が含まれます。
DPCコードの調べ方
厚生労働省の公表資料を活用する
厚生労働省は、DPC制度に関する通知や診断群分類点数表などを公開しています。最新の情報を確認する際は、まずこちらの一次情報を参照することが重要です。
DPCコード検索ツールやシステムを利用する
有償の検索ツールやコーディング支援システムを利用する手もあります。これらのツールは、傷病名や手術名から候補となるDPCコードを提示し、コーディング業務の効率化と精度向上に貢献します。
DPC分析による病院経営の改善手法
収集されたDPCデータは、病院経営を改善するための宝の山です。データを多角的に分析し、具体的な戦略に落とし込みましょう。その仕組みを深く理解し、収集されたデータを分析・活用することで、病院経営の現状を可視化し、収益改善や医療の質の向上に繋げるための強力なツールとなります。DPCコードの理解を深め、全院的な取り組みを推進することは、これからの病院経営においてますます重要になるでしょう。