
2025年12月26日、第639回中央社会保険医療協議会総会が開催されました。この日は、2026年度診療報酬改定の改定率および制度改革の骨子案が示されました。
30年ぶりの高水準、診療報酬本体は+3.09%
今次改定における最大の焦点であった改定率について、診療報酬本体は+3.09%という大幅な引き上げで決着しました。これは1996年度改定以来、30年ぶりとなる3%超の高水準です。一方で、薬価は▲0.86%、保険医療材料価格は▲0.01%の引き下げとなり、これらを合わせた改定率全体(ネット)では+2.22%となります。
今回のプラス改定は、医療従事者の賃上げ原資の確保と、昨今の急激な物価高騰への対応が主眼です。特に、本体改定率のうち、賃上げ対応分として相当程度が充当される見込みであり、単純な増収として経営の自由度が増すわけではない点に留意が必要です。
賃上げ目標は「2年度で3.2%」、ベースアップ評価料等の活用が必須
改定率の内訳として注目すべきは、医療関係職種の賃上げに対する明確な目標設定です。2026年度および2027年度において、それぞれ+3.2%のベースアップを実現することが求められています。今回確保された財源を原資とし、確実に職員の給与引き上げにつなげることが、人材確保の観点からも、また施設基準の維持という観点からも必須条件となります。事務部門においては、改めて自院の賃上げ計画の見直しと、改定後の点数設計に基づいたシミュレーションが求められます。
施行時期のズレと薬価制度改革
改定の施行時期については、今回も「薬価改定は4月施行」「本体および材料改定は6月施行」という後ろ倒しスケジュールが踏襲されます。これにより、4月から5月にかけての2か月間は、新薬価での請求となる一方で、技術料等は旧点数のままとなるため、医事課においてはレセプト請求時のマスタ管理やシステム更新のタイミングに注意が必要です。
また、薬価制度改革の骨子案も了承されました。ドラッグ・ラグ/ロスの解消に向けた新薬の薬価設定ルールの見直しや、急激な原材料費高騰に対応する不採算品再算定の特例などが盛り込まれています。
費用対効果評価制度と医療材料制度の見直し
費用対効果評価制度については、分析体制の強化や、評価対象品目の選定プロセスの効率化が進められます。高額医薬品や医療機器の採用判断において、費用対効果の視点がより一層重視される流れは変わりません。
医療材料制度改革においては、イノベーションの評価と安定供給の確保が柱となります。特に、プログラム医療機器(SaMD)などの新規技術に対する評価体系の整備が進んでおり、先進的な医療機器を導入している急性期病院では、新たな施設基準や算定要件の確認が必要です。











