【労働時間管理】打刻管理の重要性と注意点



医療法第25条第1項に基づく立入検査項目においても、打刻管理がしっかりなされているかがポイント

医師の働き方改革の開始に伴い、医療法第25条第1項に基づく立入検査に「面接指導」や「インターバル確保・代償休息」に関する確認項目が4つ追加されました。

追加された項目と、その対策については以下の記事でも紹介していますので、ぜひご確認ください。

打刻管理が法的に義務化

2024年4月以降、すべての医療機関は「労働安全衛生法第66条の8の3」により、健康管理の観点から、労働時間の状況を客観的な方法その他適切な方法で把握することが義務となりました。
労働時間を把握していない場合、又は特に理由なく自己申告制を採用している場合違反となり、法令違反是正勧告の対象となります。

「労働安全衛生法第66条の8の3」

l事業者は第66条の8第1項又は前条第1項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければならない。

「労働安全衛生規則第52条の7の3」

l第1項 法第66条の8の3の厚生労働省令で定める方法は、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法とする。

l第2項 事業者は前項に規定する方法により把握した労働時間の状況の記録を作成し、3年間保存するための必要な措置を講じなければならない。

「客観的な方法その他適切な方法」で打刻管理が必要

労働者の、勤怠状況の「客観的な方法その他適切な方法」とは、タイムカードによる記録やPC等の電子計算機の使用時間の記録とされています。使用者は、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録することとされています。

実際に残業が発生しているのに記録されていないと罰則

万が一、実際には残業が発生しているにも関わらず、それが記録されていない場合は、労働基準法違反であり6か月以下の懲役または30万円以下の罰則です。また未払い残業代の発生リスクもあります。最大3年分遡って請求されます。

紙媒体の打刻管理は非効率

紙媒体での管理は、先述の観点である客観的正確さにかけること、管理工数が大きいため、今回の医師の働き方改革を機に、システム管理に切り替える医療機関が今後増えてくると予想されます。

効率的な打刻管理の方法

働き方改革全体の流れを受け、現在は低価格帯でも正確に打刻管理ができるサービスも多く存在しています。ビーコンやスマートロックを活用した打刻管理であれば、医師に打刻を呼びかけることなく、ふだんの業務から自然に勤怠管理をすることもできます。

大切なのはきちんと打刻管理がされていること

様々な手段が考えられますが、大切なのは打刻管理を正確に実施できていることであり、医師の働き方改革実施後のいま、打刻管理は必須です。
打刻管理を正確に実施するためには、勤務医に打刻を呼びかけることも大切です。
今回ご紹介したように、スマートロックやビーコンを活用した「医師に負荷をかけず、意識させず」打刻管理を正確に実施する方法もありますので、是非自院にとって最適な打刻管理の方法を検討してください。

医師の労働時間は副業・兼業先も通算される点に注意

医師の働き方改革で大変重要な「労働時間の管理」ですが、見落とされがちで危険なのが、医師の労働時間は自院での労働時間だけでなく、外勤先、副業・兼業先も通算するということです。

医師が複数の医療機関で副業・兼業している場合、兼業先が罰則対象(違反)になることもありえます。そのため、労働者から本業先での労働時間等の申告を受けている場合は、兼業先であっても労働時間を通算して管理し、割増賃金の支払い義務も発生します。

今一度、自院での労働時間の管理の見直しとあわせて、副業・兼業先の労働時間について、申告ルールの整備を行ってみてください。

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