【病院からのリアル質問】この半年で働き方改革における病院の課題はどう変わった?


目次


今回の統計データについて

弊社では2023年3月より、医師の働き方改革における各病院の皆様からの質問を随時受け付けております。2023年10月現在で、弊社に寄せられた質問は200問以上にのぼります。

本日はこの頂いた質問をいくつかのカテゴリに分け、質問カテゴリの推移という側面から「働き方改革における病院の課題感の変化」を見ていきたいと思います。

質問カテゴリと結果概略(2023年3月~2023年10月)

まず、弊社にて設定した質問カテゴリは以下の10個です。

1. 宿日直許可
2. 労働時間管理
3. 雇用契約
4. 給与設計
5. 罰則等の制度
6. 水準(A~C)
7. 面接指導
8. 医師採用
9. 収益改善
10. その他

その上で2023年3月~2023年10月にいただいた227の質問をカテゴリ分けした結果が以下となります。

宿日直許可のご質問がもっと多く26.9%という結果になりました。
続いて労働時間管理についての質問が24.2%、雇用契約についての質問が15.4%という結果でした。
やはり働き方改革の要である宿日直許可に関しては労働時間カウントか否かの要であるため、すでに課題解消に動かれている方々が多いようです。

8ヶ月をトータルするとこのような結果になりましたが、この質問カテゴリの割合は2023年3月当初と、直近2ヶ月で変化はあったのでしょうか?

質問カテゴリの推移比較(2023年3月~5月と2023年8月~10月)

続いて、質問カテゴリがこの8ヶ月間の間でどのように変化してきたのか見てみましょう。
まず、2023年3月~2023年5月までの質問カテゴリの内訳をご覧ください。

最も質問が多かったカテゴリは労働時間管理と宿日直許可でした。
また、3位が水準関連質問という結果から考察するに、この時期はまだ水準決定の方針決定中(情報収集中)だった方々が多かったようです。給与設計についての質問は割合としてまだ少なく、医師採用や経営改善に関連する質問はありません。

次に、2023年8月~2023年10月までの結果をみてみましょう。

直近3ヶ月間で見ると、宿日直許可と労働時間管理の質問カテゴリで全体の半分以上を占めている状態です。また注目すべき点として、水準(A~C)の質問カテゴリが大きく減っていること&給与設計の質問カテゴリが増えてきていることがあげられます。ほとんどの県ですでに特例水準の締め切りが終了しており、自院の水準が確定している病院が多数であることが伺えます。給与設計の質問カテゴリは、3月~5月の時点では約5%ほどしかなかったにもかかわらず、直近3ヶ月では13.7%と倍以上に増えてきています。労働時間管理と合わせて給与に関しても見直しを始めている様子が、質問カテゴリの推移から伝わってきますね。

他病院のトレンドを知り、遅れをとらない対応を

ご覧いただいたように、働き方改革と一言で言っても対応範囲が非常に広く、どのような順番で対応するかは非常に重要です。宿日直許可を取得した次の動きとして主に労働時間管理を思い浮かべる方々が多いかと思いますが、雇用契約と給与設計は労働時間管理と密接にかかわっています。
他病院から遅れをとらないためにも、他院の状況を逐次確認しながら一つずつ着実に対応していきましょう。


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