【医師の働き方改革】残業がなければ残業代の記載は不要?



“残業がないから…”は理由になるのか?

医師の働き方改革の制度対応の中で雇用条件の見直しに着手されている病院の皆様も多くいらっしゃるかと思います。その中でも医師からの注目が高い残業の扱いに注目し、今回は「残業がなければ雇用条件に残業代の記載は無くてよいのか?」というテーマについてお話していきます。

弊社で医師の転職をお手伝いする中で「雇用条件に残業代の記載がありませんが実際はどうなっていますか?」という医師からのお問い合わせをいただくことが多々あります。確認をさせていただくと「当院は残業がほぼないので、残業代の記載はしていません」とご回答を頂くことがあります。
残業がほとんど無い場合、残業代の記載はなくても問題ないのでしょうか?

今回は、実際に転職をお手伝いする弊社コンサルタントの声をそのままお届けいたします。

転職コンサルタントが語る”残業代を必ず記載してほしい理由

今回お話を聞いたコンサルタントは全員口をそろえて「残業が全くなくても残業代を記載してほしい」という回答でした。その理由を実際のコンサルタントの声としてご紹介します。

①関東エリア担当:Aさん
残業代の記載がない雇用条件の場合、「残業があった場合はどうなるのですか?」と必ず医師に聞かれます。さらに「残業代が発生しても出ないということですか?」「残業がとても多いということですか?」とも聞かれます。残業代が無くても”発生した場合を考慮して”記載いただくだけで、初回に提示した際の医師の不安が大きく取り除かれるので、実際は残業がなくともぜひ記載してほしいです。

②関西エリア担当:Bさん
医師は、実際残業があるかどうかというよりも残業代の記載があるかどうかで”病院の姿勢”のようなものを潜在的に判断しているように感じます。残業代の記載がある=むやみやたらに残業をさせないという印象も与えますし、固定残業代以上の残業はあまり発生していないんだろうなと解釈するのだと思います。全く残業が無い病院であっても例えば”固定残業時間:20時間”の表記があることで20時間以上の残業は常態化していないんだなということが伝わり、さらに「固定残業20時間の記載がありますが実際はほぼないですよ」と言われると非常に納得しやすいなと思います。

③南日本エリア担当:Cさん
やはり時代の流れなのか、若い先生であればあるほど雇用条件を気にする傾向にあるかと思います。記載にあいまいな部分があると、それが病院全体への不信感につながるきっかけになりうると思います。残業代の表記はその一番わかりやすい例ですね。もちろん勤務日数の緩和や当直明けの対応など、他にも医師が気にする雇用条件のポイントはいくつかありますが、残業代に関する記載は労働基準法での明確な定めがあるため、病院の対応の差が分かりやすく見えてくる項目かと思います。

残業代(手当等)の記載が採用を左右した実際の事例

弊社にて実際にあった産婦人科医の事例をご紹介します。

現在産婦人科医として勤務するA医師は、転職を検討中で弊社の転職サイトにご登録いただきました。
弊社へお問い合わせをいただいた際、すでに自宅近くの医療機関(Z病院)に自己応募されていたため、比較参考程度にお問い合わせをいただいた形です。

しかし実際、入職に至ったのは弊社からご紹介した”通勤に1時間かかる”別の医療機関(Y病院)でした。なぜ医師は、Y病院に入職を決定したのか?決め手となったのは提示された雇用条件書でした。
(※それぞれ給与に関わる部分の表記を抜粋し記載しています)

◆自宅から近いZ病院の雇用条件
・基本給:〇〇〇円、特別手当:〇〇〇円、月収合計:〇〇〇円
・当直料:〇〇〇円/泊
・時間外:診察状況により可能性あり
・賞与:あり、年2回(6月と12月)
・昇給:あり、年1回

◆実際に入職を決めたY病院の雇用条件
・想定年収:〇〇〇円
・内訳:基本給〇〇〇円/固定残業手当〇〇〇円/調整手当〇〇〇円/当直・オンコール手当〇〇〇円
・その他手当等:住宅手当〇〇〇円/早番手当〇〇〇円/遅番手当〇〇〇円/オンコール待機手当〇〇〇円/オンコール出勤手当○〇〇円/日当直手当〇〇〇円/手術手当〇〇〇円/分娩手当○○〇円
・オンコール手当について:月10回の稼働を想定・土日通しの待機も含む
・手術手当について:月10件を想定
・残業手当:固定残業時間を超える時間外労働分については別途手当を支給する
・賞与:無
・昇給:双方協議の上毎年3月に見直しするものとする

Y病院の雇用条件は、提示年収相当の勤務とはどのようなものか、非常にイメージがしやすいですよね。もともとA医師は雇用条件を細かく見るタイプではなかったそうですが、同タイミングで提示された雇用条件を見て、初めて「こんなに違うものか!」と驚いたそうです。

スムーズな採用”のための労働条件整備を

雇用期条件は、入職の可能性が高い医師へ提示するものです。本格的に自院への入職を検討いただいている医師に対して、雇用条件の提示を通して自院での働くイメージを持ってもらい、入職の意欲を高めてもらう非常に有効な機会です。具体的な条件の調整にスムーズに移行できるよう、医師からの見え方を意識した雇用条件の作成に取り組んでみてください。具体的な変更案のご相談はお気軽に弊社までご相談ください。

働き方改革に関するお問い合わせ

エムスリーキャリアでは医師の働き方改革に関する様々なサポートを行っています。お困りごとやご相談等ございましたらお気軽にご連絡ください。



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