人事のプロ、45歳目前で大手飲料メーカーから医療業界に挑戦―桐和会Gの組織拡大を支える“異業種組”

今後も患者増が見込まれる東京都・東部エリアを中心に、40以上の医療・介護施設を運営している桐和会グループ。25年前に1つのクリニックから始まり、今では約3000名が働く一大グループに成長しました。エリア外への患者流出が続いている中、グループの成長を支える存在として、現在、管理部には他業界からの転職が増えているといいます。今回は大手清涼飲料会社の人事畑から45歳目前で同グループの人事総務課に転職した坂本剛氏に、ご自身のキャリアについて伺いました。

<インタビュイープロフィール>
医療法人社団桐和会グループ
管理部 人事総務課 課長  坂本 剛 氏

45歳目前に、大手メーカーからの異業種転職

桐和会 坂本剛

-坂本さんは医療とは違う分野の業界から転職されたと伺いしました。簡単に、これまでのキャリアを教えてください。

大学卒業後、大手清涼飲料会社に入社し、そこで21年間勤めました。当初は希望していた営業部に配属され、物流実務を担いながら、セールスマネージャー、新商品のセールス責任者など、売上拡大に邁進していました。その後、新しい業務領域にチャレンジしていきたいと感じ、上司に相談した上で2004年、33歳のときに人事部へ異動。異動後は1000名に及ぶ社員の給与計算や市民税・健康保険の対応、年末調整などを遂行し、2006年以降は、グループ社員3000名の給与・厚生部門のリーダーとして管理していきました。そのほか、人事制度の運用や労務管理など多岐にわたる実務に関わり、部下の指導や課長代行業務も行っていました。

様々な経験をさせてもらいましたが、45歳目前となった時に新天地でチャレンジしたいと考え、2016年に桐和会グループに入職しました。

-桐和会グループはそれまでの清涼飲料メーカーとは全くの別業界です。入職を決めたのはなぜですか。

昔から医療業界への関心は高く、転職活動中は医療機器メーカー、薬品メーカーなどからも人事課長ポジションでのお話をいただいていました。

その中でも桐和会グループに決めたポイントは、何よりも法人の熱意です。採用過程もスピード感がありスムーズに進んでいきましたが、内定後の検討期間中も熱心にお誘いをいただいたことが最終的な決め手になりました。

-他業界からの転職に関しての期待や不安はありましたか。

やはり20余年携わった業界とはまったく別の業界だったため、基礎知識のなさが不安でした。ですがその反面、新たな知識・スキルを習得できる機会を得られたことは非常に楽しみでした。私は「すべてが伸びしろ」と前向きに考えていたので、不安よりも期待や楽しみの方が勝っていましたね。

1人で幅広い業務を経験できるからこそ成長できる

桐和会

-桐和会グループに入職されてから、現在に至るまでに担当された業務を教えてください。

はじめに、新卒採用部門である人材開発室に室長として配属されました。介護職を主とした母集団形成のためのメディア戦略、学校訪問、書類選考、採用面接などそれぞれの採用プロセスに携わりました。その後、入職した2016年10月に人事課長を拝命しました。そこでは主に給与や労務、中途採用の責任者を担当することとなり、グループ拡大に伴う新規施設の人員採用などを行いました。

現在は労務に軸足をシフトし、今年度から人事総務課長を拝命しました。具体的には人事制度設計、異動・昇格・評価の管理、労務管理などを務めています。

-桐和会グループでの働きがいについて教えてください。

桐和会グループは病院、クリニック、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、認可保育園など40を超える拠点を構えており、総勢約3000名の従業員を抱えています。一方でグループ本部の職員は約60名と、圧倒的にコンパクトな少数精鋭部隊で運営しています。この体制だからこそ、業務の方針や企画立案などもスピーディーに意思決定を進めることができ、課題に対する解決までの時間が早いところが特徴です。

よって、一つひとつの課題に多くの時間を割くようなストレスはありません。また、やる気のある職員には多くの業務やエリアを担当させてもらえるため、これまでに培った知識やスキルを発揮し、さらに自分の成長を促したいと思っている方には非常にやりがいのある職場だと思います。

-逆に、ご入職後に苦労されたことはありますか。

やりがいの反面になるのですが、前職では一つの業務を専任する縦割り組織だったので、桐和会グループのように一人で幅広い業務をこなしていくマルチタレント的な働き方は一からの知識習得と相まって非常に苦労しました。入職してから2年半経った今となっては、非常に自己成長ができた期間だったと自負しています。

-今後のご自身のキャリアの目標を教えてください。

まだ入職して2年半であり、まだまだ業界に対する知識が不足していると考えています。ですので、これも伸びしろの部分だと考え、持ち前のコミュニケーション力と探究心を持って自己成長に努めていきたいです。

また、私の所属する管理部はバックオフィスの中でも「ヒト」に関する重要な部門。これまで以上にグループ従業員が安心して仕事に取り組めて、桐和会グループで長く働きたいと思える高いロイヤリティを築いていきたいです。

桐和会 人事総務

-最後に、桐和会に興味を持っている読者へメッセージをいただけますか。

桐和会グループは1993年に篠崎駅前クリニックを開設し、今年で創立25周年、拠点数も40を超えるグループに成長してまいりました。来年以降も新規施設の開設や既存病院の増床など、拡大路線はまだまだ続きます。

私のようなまったく異業界からの転職であっても、新たな知識とそれまでに培ったスキルを融合して活用することで、法人と自己のさらなる成長につなげられると確信しています。コーポレートスローガンでもある「あんしん」と「まごころ」を、より多くの患者様、入居者様にお届けするため、ともに学び働けると嬉しいです。

<取材・文:浅見祐樹、編集:小野茉奈佳>

【関連記事】 桐和会グループの組織拡大を支える“異業種組”インタビュー
飲食経営者が医療G管理部門長になって大事にしている考え方

関連記事

コメント

コメントをお待ちしております

HTMLタグはご利用いただけません。

スパム対策のため、日本語が含まれない場合は投稿されません。ご注意ください。

医師の働き方改革

病院経営事例集アンケート

病院・クリニックの事務職求人

病院経営事例集について

病院経営事例集は、実際の成功事例から医療経営・病院経営改善のノウハウを学ぶ、医療機関の経営層・医療従事者のための情報ポータルサイトです。