新しいルートの開拓によって成果を上げた医師獲得―志聖会 総合犬山中央病院(前編)

総合犬山中央病院は愛知県と岐阜県をまたぐ住民22万人の地域を診療圏とする316床の地域完結型中核総合病院で、社会医療法人として公益性を重視した運営を行っています。
かつて同院は、理事長の出身大学の医局から安定的に医師の派遣を受けていました。ところが2008年ごろ、新医師臨床研修制度の施行を背景とした派遣医師の引き上げに遭ったため、医師採用体制の改変を決断し、医師獲得のための新しいルートの開拓に努めました。人材紹介会社の利用や新規医局の確保により、現在では直近3年間で10人採用という成果を上げています。

≪今回 インタビューにご協力いただいた方≫
理事・事務管理部次長(医師採用担当)池田幸一氏

新規の採用経路により内科系を中心に充実化

― 医師採用における貴院の基本路線はどのようなものですか。

IMG_1769池田氏

内科系の充実を優先しています。じつは2008年に医局による派遣医師の引き上げに遭い、病院の基本を支えていた内科を中心として、常勤医師が大幅に減ってしまったことがありました。そのときから、まずは内科を安定させようと医師獲得の体制づくりに着手しています。新規の採用経路の開拓に努め、私が2010年に着任してからの3年間で、新たに関係を築いた3つの医局からの派遣も含め10人の医師を採用してきました。そのほとんどが内科系です。そのうち8人は今も活躍して下さっています。

― 貴院のアピールポイントはどこにあるとお考えですか。

病院概要池田氏

愛知県と岐阜県のはざまにある当院には、周辺に診療内容が重複する医療機関が少ない分、多様な症例が集まっています。さまざまな症例を経験したいと望む医師には非常に恵まれた環境といえます。

そしてもうひとつ、コメディカルが非常にしっかりしているという点も挙げることができると思います。医療は医師ひとりで行うわけではなく、周囲がいかに医師をサポートできるかが非常に重要になってきます。特に放射線の領域を中心としたコメディカルが非常に充実している点は当院の強みだと自負しています。

病院の期待を明確に伝える

―医師の引き上げに遭って苦しい状態から、医師に魅力を感じてもらえる病院になるまでには、苦労もあったのではないでしょうか。何か心がけたことはありますか。

IMG_1785池田氏

単に先述のアピールポイントを列挙するだけでなく、医師の要望を踏まえて当院としてどんな役割を期待しているか、明確に伝えました。

私が採用担当としてはじめて採用した消化器内科の医師には、「消化器内科の検査体制を整え、外科の手術適応の症例数を増やして欲しい」と伝えました。その医師は今も活躍しており、検査の件数は一番少ない時期の3倍ほどにまで増加しています。医師にとって当院はやりたいことが精いっぱいできる環境であり、病院としても活躍に期待していると伝えること。これが一番大事ではないでしょうか。

[adrotate group=”9″]

関連記事

コメント

コメントをお待ちしております

HTMLタグはご利用いただけません。

スパム対策のため、日本語が含まれない場合は投稿されません。ご注意ください。

医師の働き方改革

病院経営事例集アンケート

病院・クリニックの事務職求人

病院経営事例集について

病院経営事例集は、実際の成功事例から医療経営・病院経営改善のノウハウを学ぶ、医療機関の経営層・医療従事者のための情報ポータルサイトです。