医療法人社団三喜会横浜新緑総合病院(神奈川県横浜市)は、松前光紀院長を中心に常勤医師の採用に注力。わずか半年で脳外科を中心に10人の医師確保に成功しました。短期間での医師を確保できた要因について、松前院長、村松事務長にうかがいました。
わずか半年で常勤医師10人の採用に成功
――横浜新緑総合病院では2024年4月に9人、7月に1人の常勤医師の着任が決まっており、短期集中の医師採用に成功されました。
松前院長:前身の東海大学医学部付属病院で脳神経外科教授として、科の医師不足を解消して運営体制を立て直した経験がありました。常勤医師の確保は、私が当院の院長として赴任した当初から重点課題のひとつだったので、期待には100点満点で応えたいという気持ちでしたね。結果として、当院の常勤医師数は31人から41人へと大きく増やすことができました。ひとまず人手不足が深刻な科はなくなり、充足したと言って良い状態にできたと考えています。
常勤医師10人の入職方法は、現場医師からの知人紹介が4人、エムスリーキャリアの紹介が3人、私が直接お声がけした医師が2人、エムスリーキャリア以外の紹介会社が1人です。
入職方法によって区別はしませんが、現職の知人紹介で4人も入職を決めてくれたことは嬉しかったですし、現職の医師には感謝しています。
村松事務長:院長自ら医師確保のために北から南まで飛び回ったり、1日10通以上の手紙を送ったりしている姿を見せていたことが大きかったと思います。現場の皆さんが「自分にできることはないか」と過去の職場や大学の知り合いなどに打診してくださいました。職場の雰囲気が良好なため、非常勤で働いていた医師1人が常勤に切り替わる嬉しいニュースもありました。
面談には部長が必ず同席。即日で内定通知を出すことも
――エムスリーキャリアからの紹介では、消化器内科2人、脳外科1人の医師が入職されました。
松前院長:エムスリーキャリアは、希望に合う人をしっかり紹介してくれる点を評価しています。今回、科目はもちろん、30代の長く活躍できる若手医師を紹介してもらえました。
あと、エムスリーキャリアは専任のコンサルタントでついてくれるので、コミュニケーション面でのストレスが少ないですね。一部の紹介会社では「この科は当直できない人は採用しない」と伝えても、別のコンサルタントから当直NGで打診があるなど、「情報の水平展開ができていないのかな…」と感じることがありました。
村松事務長:当院は約5年前からエムスリーキャリアプライムに登録していましたが、短期集中で医師採用に取り組みたいと思い、1年間フルサポートプランを利用することにしました。
実際に運用してみて一番良かった点は、プライムのチャット機能ですぐに専任担当と連絡がとれることですね。とにかく話が早く進むし、履歴が残るので複数のオファーを進める際に情報を混合するリスクもない。朝一で院長が気になる医師を確認し、エムスリーキャリアに追加情報の確認を行い、それをもって昼過ぎには提案条件を調整して面談のオファーを出す、なんてことは珍しくありませんでした。
――面談に松前院長と所属する科の部長が必ず同席する点も、医師採用の大きな力になっています。
村松事務長:そうですね。事務部門に任せきりではなく、院長自らオファーしていることが応募した医師に伝わっていると思います。面談時には担当科目の部長が同席してくださるので、現場の動き方や細かい疑問が解消できる点も安心材料になっています。また、当院は面談後の意思決定が非常に早い点も特徴です。
内定通知が出るまで1~2週間かかる医療機関が多いかと思いますが、松前院長のおかげで当院では内定通知が当日に出ることも珍しくないです。その熱意は応募医師にも伝わるので、内定辞退が発生しにくいのではないでしょうか。
松前院長:私と部長で面談して、良い人だと思ったら事務長が労働条件の話をしている間に、その場で部長と採用を決めてしまいます。面談に部長に必ず同席してもらうのは、あとで文句を言われたくないからです(笑)。
村松事務長:これまでの採用活動からの経験では、1年で2人の常勤医師が決まったら十分という感覚でした。半年で10人は完全に異次元で、「院長が先頭に立つと、ここまで変わるのか」とこの1年は驚きの連続でした(笑)。
――今後の横浜新緑総合病院の展望について教えてください
松前院長:当院は31人の医師が働いていたところに、今回10人の医師が加わりました。医師同士でほぼ面識がない科目もあります。ですので、それぞれの科目が1つのチームとして滞りなく業務に集中できる環境をつくるのが直近の課題ですね。今回、各診療部の部長は変えていないので、新しい先生たちにうまくコミットしてもらい、組織統制がとれるようにしていきたいです。