【残業代】割増賃金の発生はどの労働時間?残業代の種類と割増賃金



打刻管理は医師の働き方改革において必要不可欠

「労働安全衛生法第66条の8の3」により、健康管理の観点から、労働時間の状況を客観的な方法その他適切な方法で把握することが義務となっております。

打刻管理の重要性と注意点については、こちらの記事もご覧ください。

また、医師の労働時間管理については、医師の自己申告により副業・兼業先の労働時間は通算されます。

副業・兼業を含めた労働時間の通算についてはこちらの記事もご覧ください。

医師の皆様は、副業・兼業をされている方も多いかと思います。
これらの労働時間を通算した結果、残業時間が発生しているというケースも多いでしょう。

残業が発生している場合、その労働時間に対して、正しい割増率で労働に対する対価として残業代が支給されている必要があります。では、割増率はどのように計算すべきなのでしょうか。

そもそも、いわゆる残業時間とは?

「残業時間」「残業」とは、一般的に以下の時間の総称であり、法律で定義されている単語ではありません。所定労働時間とは、各事業場で個別に定められた労働時間のことです。

以下に赤字に示している時間が、割増賃金の支払いが必要になる時間です

残業代の種類と割増賃金

割増賃金の合算

深夜割増と時間外割増(or休日割増)の割増率は合算されます。
深夜割増と時間外割増(or休日割増)とが、各割増率を定めているのは、それぞれ理由が異なるためであり、それぞれの割増原因が被る場合、合算して計算する必要があるためです。
時間外割増と休日割増は、長時間労働を抑制するという趣旨が同一であるため合算はしません。

法定労働時間を越えた時間に労働した場合どうなる?

法定労働時間とは、労働基準法で定められた、「1日に8時間、1週間に40時間」の労働時間の上限時間のことです。
なお前提として、法定労働時間を超えて労働させるには、36協定の締結・労基署への提出と、契約上の根拠(雇用契約書、就業規則など)が必要です。

深夜労働時間に労働した場合どうなる?

午後10時~翌午前5時までに労働した時間は「深夜労働時間」です。
「深夜労働時間」の労働は割増賃金として、25%を加算します。

休日労働時間に労働した場合どうなる?

「法定休日」に労働した時間が「休日労働時間」です
※土日、祝日が直ちに「法定休日」になるわけではありません。「法定休日」とは、週に1回の与えなければならない休日のことです(労働基準法35条)。
通常は、就業規則で定められていますが、割増賃金の対象となる法定休日は週に1日限りです。
「休日労働時間」の労働は割増賃金として、35%を加算します。

未払い残業代の発生について

年俸制の医師が、固定残業代を含んでいない場合、副業・兼業先の労働時間の通算や、自己研鑽を正しく労働時間として計算した結果、実際には残業が発生していた場合、未払い残業代が発生することとなります。
なお、年俸に固定残業代を含んでいる場合は、その時間数及び金額を明記しなければならず、その固定残業代が法定の割増率で計算した額を下回ることはNGです。

罰則リスク

実際には残業が発生しているにも関わらず、それが記録されていない場合は、労働基準法違反であり6か月以下の懲役または30万円以下の罰則です。また未払い残業代は最大3年分遡って請求されます。

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