
2026年1月14日、第641回中央社会保険医療協議会(中医協)総会が開かれました。本資料から、医療機関にとって重要なポイントを抜粋して解説します。
2026年度診療報酬改定の全体像と「諮問」の開始
今回の総会では、厚生労働大臣から中医協に対し、2026年度診療報酬改定に向けた具体的な審議を求める「諮問」が行われました。改定の基本方針として、「物価高騰・賃上げへの対応」や「ポストコロナの医療提供体制の構築」が柱に据えられています。長引く物価高騰と深刻な人材不足を背景に、医療従事者の処遇改善と経営の安定化をどう両立させるかが焦点です。
入院医療における評価の見直しと効率化の促進
入院医療については、これまでの議論を整理する形で、急性期から回復期、慢性期に至るまでの各機能に応じた評価の適正化が盛り込まれました。
急性期一般入院料に関しては、重症度、医療・看護必要度の基準や、平均在院日数の管理がさらに厳格化される方向です。特に、高齢の救急患者を受け入れる体制や、リハビリテーション、栄養管理、口腔ケアを一体的に提供する仕組みの評価が重視されています。
また、地域包括ケア病棟においては、在宅復帰支援機能の質をより厳密に評価する仕組みが検討されています。介護保険施設等との連携実績や、入退院支援の取り組み状況が、今後の報酬算定に直結する可能性が高まっています。
医療従事者の賃上げと物価高騰への対応
病院経営において課題である「賃上げ」については、2024年度改定で新設された「外来・在宅ベースアップ評価料」や「入院ベースアップ評価料」の活用状況を踏まえた見直しが行われます。
資料によると、看護職員やコメディカルだけでなく、事務職員等の処遇改善についても継続的な議論が必要です。2026年度以降も、他産業との賃金格差を埋めるための原資を確保すべく、適切な評価体系の構築が目指されています。
同時に、光熱費や医薬品・診療材料費の高騰に対応するため、入院基本料や特定の点数に対する上乗せ、あるいは物価変動を反映させる仕組みの導入も議論の俎上に載っています。
医療DXの推進と情報の利活用
マイナ保険証の利用促進や、電子処方箋の普及、電子カルテ情報共有サービスの活用など、医療DXの社会実装を加速させるための評価が拡充される見込みです。
医療機関側には、オンライン資格確認システムを通じて取得した診療情報を、実際の診断や治療にどのように活用しているかを問う要件が強化される可能性があります。事務部門においては、システム運用の維持コストや、窓口業務の効率化と報酬上のメリットを天秤にかけた戦略的な対応が求められます。
外来医療と地域連携の深化
外来医療では、紹介状なしで大病院を受診した際の「特別の料金」の対象病院のさらなる拡大や、かかりつけ医機能の評価体系の整理が進められます。
紹介受診重点医療機関としての機能を明確化し、地域のクリニックとの役割分担を徹底することが、病院経営の効率化に繋がります。また、リフィル処方箋の活用促進や、長期処方の適正化についても、引き続き厳しい目が向けられています。









