西日本最大の都市を有する大阪府。全国で2番目に狭い面積の中に、高度に交通網が発達しており、都市機能の集中度もきわめて高いのが特徴。他の都道府県と比べ、府内の地域特性の差異が小さく、人口移動・受診動向もかなり流動的だと言われています。都道府県ごとに転職の動向を解説する本シリーズ。今回は、大阪府の動向を取り上げます。
大阪府の地域事情
人口886万人(全国3位)の大阪府には、8つの医療圏が存在します。
最大の医療圏となる大阪医療圏には、府内シェアの35%に当たる188施設の病院が存在。次いで和泉医療圏(79施設)、枚方医療圏(61施設)などと続きます(「平成25年医療施設調査・病院報告の概況」より)。コンパクトな面積に、総合病院や専門病院も数多く集中しており、府内全域で高度な医療を受けられる体制が整っているとも言われています。
今後大阪府では、高度経済成長期に大量流入した世代や、第一次ベビーブーム世代の高齢化によって2025年までに75歳以上の人口が153万人(2010年の84万人に対しプラス81.3%)となる見通し。全国平均のプラス53.5%と比べて極めて高い水準で高齢化率が高まっていくことが予想されており、医療機関にはこうした環境変化に対応した経営が求められています。
大阪府の病院事務職の年収相場は?
『2016年版病院賃金実態資料』(医療経営情報研究所)によると、大阪府が位置する近畿地方で働く病院事務職(大学卒)の年収の推移は次の通り。
年代等により多少のばらつきがあるものの、おおむね年収相場は全国と同水準のようです。調査対象病院に多少の偏りもあり、転職市場の相場と比べると高めの数値となっている点には注意が必要ですが、こちらの資料によると、事務部長で867万円、事務課長で728万円、事務係長で584万円、事務主任で500万円というのが一つの指標とされています。
大阪府の求人動向
エムスリーキャリアに寄せられている近畿エリアの募集職種をより詳細に見てみると左グラフのような内訳となりました。
他エリアに比べると、医事課長・医事課スタッフといった医事課職員の需要が高いのが特徴。一方で、事務長・事務長候補と言った、経営幹部を求める声も全体の24%ほどあり、医療機関の今後を支えてくれる人材を求める声も強まっています。
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