
2026年1月9日、第640回中央社会保険医療協議会(中医協)総会が開かれました。今回の総会では、2026年度診療報酬改定に向けた「議論の整理」に加え、足元の物価高騰への対応策が話し合われました。
物価高騰・賃上げへの対応方針
昨今の物価高騰や賃金上昇に対し、診療報酬および補正予算を用いた支援策の方向性が示されました。
入院料への配分と機能分化
物価高騰による経営環境の悪化に対応するため、診療報酬による手当てが検討されています。特に、光熱水費や食材料費の高騰が著しい入院医療機関に対しては、一律の対応ではなく、急性期・回復期・慢性期といった医療機能に応じてメリハリをつけた配分を行う方針が示されました。また、救急医療を担う病院に対しては、その機能を維持するための加算措置などが議論されています。

賃上げのフォローアップ
2024年度改定で導入された「ベースアップ評価料」について、十分な賃上げ原資が確保できているかどうかの検証と対応が継続して行われます。医療関係職種の賃上げを確実に進めるため、不足が生じている場合の対応策や、対象職種の範囲についても再考が進められています。
22026年度改定に向けた「議論の整理」
次期診療報酬改定に向けた論点の整理案が提示されました。以下の項目は、今後の病床機能報告や施設基準の届出に直結するため、早期の確認が必要です。
入院医療の評価体系の見直し
重症度、医療・看護必要度について、急性冠症候群の治療後や心停止蘇生後の患者の状態を踏まえた項目の見直しが検討されています。また、ハイケアユニット(HCU)入院医療管理料については、患者の状態に応じた適切な評価を行う観点から、基準を満たす患者割合の要件変更が論点として挙げられました。 さらに、救命救急入院料については、制度の簡素化を目指し、区分の統合・整理を行う方向性が示されています。
働き方改革とICT活用の推進
医療従事者の負担軽減と業務効率化は引き続き最重要課題です。見守りセンサーやインカムなどのICT機器を組織的に活用している病棟において、夜間の看護配置基準を柔軟化する提案が盛り込まれました。これにより、人員配置の適正化と労働環境の改善を両立させる狙いがあります。
食事療養の質向上
入院中の食事療養について、嚥下調整食(特別食)の評価が見直されます。これまで評価が不十分であった、適切な栄養量を有しつつ飲み込みやすく調整された食事形態について、新たな評価を行うとともに、患者の多様なニーズに対応するための特別料金(選定療養)の活用も視野に入れられています。
選定療養と新規技術への対応
保険診療と保険外診療を併用する「選定療養」の枠組み拡大や、新規技術の取り扱いについても進展がありました。
近視進行抑制薬の導入
「近視の進行抑制」を効能・効果とする点眼薬(アトロピン硫酸塩水和物)が薬事承認されましたが、薬価基準には収載されず、選定療養の対象となる見通しです。これに伴い、当該薬剤の処方に必要な検査については、保険診療として評価する方向で調整が進んでいます。関連学会のガイドラインに基づいた適切な検査体制の整備が求められます。
リハビリテーションの選定療養化
患者の希望に基づく追加的なリハビリテーションについて、選定療養の対象として導入することが検討されています。具体的には、標準的な算定日数を超えた場合や、より充実したリハビリを希望する場合などが想定されます。










