医師優位のヒエラルキーを変革する「チームSTEPPS」とは【ケース編】─病院経営ケーススタディvol.13

この記事は約3分19秒で読めます

N病院の概要
    1. 病床数:180床(一般病床180床(急性期一般入院基本料1)の総合病院)
    2. 場所:地方都市
    3. 職員数:常勤医師20名、看護師290名
    4. この土地に古くからある地域密着型の病院。半年後に築40年を超えた現病院から、1km程先の土地への新築移転予定があり、大詰めを迎えている

院内コミュニケーションのキーパーソンは…

N病院は、地方都市の当地に古くからある180床の急性期病院で、施設の築年数は40年を超える。そのため、旧規格の造りで、天井は低く、廊下幅も狭い。おまけに壁紙は黒ずみ、照明も映えず、やや暗い雰囲気が否めないため、半年後には1km程先の土地へ新築移転を控えている。

建物同様、スタッフも長く働くベテランが多く、経験5~10年の中堅層が少ない。医師はどちらかというと入れ替わりが少なく、開業当初からの運営体制が続いているため、医師を頂点としたヒエラルキーの構造が根強い。経営陣は、中堅職員が少ない原因のひとつとして、スタッフ同士のコミュニケーションがしづらいことを問題視しているが、なかなか改善の糸口を見出だせずにいる。

新卒採用でも病院施設の老朽化がハンディキャップになっており、新築移転を機に何とか院内の雰囲気を好転させたいと考えている。

院長・事務長・看護部長の会話

院長:うちの病院は良い意味では歴史があり、当地ではよく知られている。反面、院内は昔ながらの雰囲気を払拭できず、医師のヒエラルキーが根強く残っている。職員同士のフラットなコミュニケーションを推進して、誰もが働きやすい組織文化を作っていかないと、人材が定着せず、生き残れない。移転は院内の雰囲気を好転させる機会になると思う。何か良い方法はないだろうか。

事務長:正直なところ、我々事務員から医師に本音をお伝えするのはなかなか難しいです。患者さんからクレームがあれば、そのご意見を事実として伝えていますが、機嫌を損ねてしまうことが多くて…。職員からの不満や改善点を伝えたらどうなることやら…。

看護部長:私たちの時代は医師が偉くて怖いのは当たり前でしたけどねぇ。今の若い子たちには、そぐわないですよね。萎縮して、かえってミスを誘発することもあるし、チーム内の雰囲気は非常に大事ですよね。

事務長:やはりそういうことは院長から注意してもらうのが一番良いかと。

院長:……。

看護部長:以前、研修で「チームSTEPPS(チームステップス)」というものを聞いたことがありますが、どうでしょうか?

【設問】
  1. 職員同士のコミュニケーションの問題がもたらすものとは?
  2. 「チームSTEPPS」とは?

【解説編】はこちら

網代祐介(あじろ・ゆうすけ)
社会医療法人社団光仁会 第一病院(東京都葛飾区、一般病床101床(うち、地域包括ケア病床12床)・医療療養病床35床)にて医療福祉連携室室長と経営企画室を兼務。医療ソーシャルワーカー(MSW)として亀田総合病院で経験を積んだ後、医療課題は社会経済、経営、マーケティングの視点からも解決していく重要性を実感し、経営学修士(MBA)を取得。その他、医療経営士1級、介護福祉経営士1級などを取得し、講師業などにも取り組む。(過去のインタビュー記事
専門家の解説やケーススタディなど、医師採用ノウハウ満載の資料を
無料でダウンロードいただけます。

無料ダウンロード資料一覧を見る

関連記事

コメント

コメントをお待ちしております

HTMLタグはご利用いただけません。

スパム対策のため、日本語が含まれない場合は投稿されません。ご注意ください。

ログイン

病院経営事例集について

病院経営事例集は、実際の成功事例から医療経営・病院経営改善のノウハウを学ぶ、医療機関の経営層・医療従事者のための情報ポータルサイトです。