初期研修医が優先すべきこと2―医師への選択、医師の選択【第16回】

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著者:野末睦(あい太田クリニック院長)

もう一つ、救急部での研修についても触れたいと思います。救急部は、3次救急に分類され、全身熱傷などの重症患者さんを診療しますが、入院に使えるベッドの数が少なく、そもそも大学病院の運営形態が救急に向いていなかったために、患者さんの数が少なく、とても「暇」な診療科でした。その救急部に私は2年間の外科ローテーションの最後の3か月と選択期間の3か月、計6か月もローテーションしたのです。

「暇」な救急部を選んだ理由

なぜ選択期間もいわゆる「暇」な救急部を選んだのか?一番の理由は、忙しすぎる研修に疲れてしまっていたのだと思います。研修していた時はとても充実していて、医師としての基本的な姿勢を学ぶことができた消化器外科での研修でしたが、またやるとなると、つらいなと感じたのです。また後期研修でも消化器外科を選択するのだから、そこを選択しなくてもいいなと思ってもいました。

救急部での1日は、朝9時の集合で始まります。そしてコーヒーなどを飲みながら昨日から今朝までに変わったことがないかどうかを報告、今日の仕事の打ち合わせを行います。そのあと10時ぐらいから皆で病棟回診に出かけます。その頃には他の外科グループは回診が終わっていますから、看護師さんもしっかりと回診についてくれます。熱傷の患者さんの包交は手間がかかりますが、私たちのメンバー4人くらいと看護師さんで行いますので、それほど負担ではありません。看護師さんの表情も消化器外科の時と比較すると、心なしか柔らかな表情をしているみたいです。

ゆとりある時間で診療以外の学びを

大体1時間ぐらいかけて回診が終了すると、医局に戻り、それぞれの仕事を始めます。その頃はちょうどパソコンが出始めでしたので、ほとんどのスタッフがコンピューターをおもちゃのように使って、遊んだり仕事をしたりしていました。私もパソコンを使いこなせるようになりました。また学会発表や論文を書くことも奨励していましたから、初めての学会発表も、初めてのちょっとした論文も、この最後の6か月間で経験することができました。つまり有り余る時間があって、知的好奇心が旺盛な先輩医師が周囲でいつも論文を書き、パソコンをいじっていたので、自然とその世界に踏み込んでいくことになったのでした。

「初期研修医時代の優先事項は何でしょうか?」への私的結論

患者さんの傍らに常にいるという習慣を身に付けること。そんな中でも、少しゆとりを作って、新しいことへの挑戦をし、学会発表などをする習慣も身に付けることが、優先事項です。

≫次回に続きます≪

野末睦(のずえ・むつみ)

初期研修医が優先すべきこと2―医師への選択、医師の選択(野末睦)筑波大学医学専門学群卒。外科、創傷ケア、総合診療などの分野で臨床医として活動。約12年間にわたって庄内余目病院院長を務め、2014年10月からあい太田クリニック(群馬県太田市)院長。
著書に『外反母趾や胼胝、水虫を軽く見てはいませんか!』(オフィス蔵)『こんなふうに臨床研修病院を選んでみよう!楽しく、豊かな、キャリアを見据えて』(Kindle版)『院長のファーストステップ』(同)など。

 

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