初期研修医が優先すべきこと1―医師への選択、医師の選択【第15回】

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著者:野末睦(あい太田クリニック院長)

質問:初期研修医時代の優先事項は何でしょうか?
※編注:質問に対する「私的結論」を次回掲載します。

週3日は病院に寝泊まりの新婚生活

私の時は、国家試験の発表が5月初旬で、研修開始が6月。ローテーションは自分が進もうと考えていた消化器外科から始めましたが、研修開始の時は新婚でした。しかし研修生活はそのようなことにはお構いなし。毎日朝6時に起きて、ご飯を食べ、7時頃には病院に着き、受け持ちの患者さんの様子を見て、7時45分からの回診に備えました。昼間は手術に入ったり、カンファレンスに備えて患者さんのレントゲン写真を集めたり、毎日の指示を出したりと忙しく働き、帰宅するのは夜の12時頃でした。そして受け持ちの患者さんが手術を受けた時には病院に泊まり込むことを診療科として義務づけていましたので、順番で回ってくる病院の当直と合わせると週に3日くらいは病院に泊まっていました。土、日も毎日出勤していましたが、日曜日は、さすがに夕方の5時くらいには家に帰っていました。このような生活でしたので、妻は初めて暮らすつくば市で話す相手もなく、スーパーの売り場の人と会話するのが唯一の楽しみだったと、今頃になって私に伝えています。

患者さんの傍らに少しでも長く

筑波大学消化器外科は千葉大学の第二外科の流れを汲む診療科でした。千葉大学第二外科といえば中山恒明教授が有名です。その発想の大胆さや柔軟さ、そして神業的な手術の腕前、さらには弟子たちに対する指導の厳しさで有名でした。

その流れを汲んでいましたから、当時の岩崎洋治教授を中心に消化器外科はまとまっていて、患者さんに対しては真摯に対応していました。たとえば、患者さんが傷の痛みを訴えた時には、まず診察をしてから痛み止めを打つように言われていました。ですから夜中に患者さんが痛いと訴えると、起きていって、お腹を触り、腹膜刺激症状などないか、腸管の蠕動音はどうかなどを必ず診察してから、痛み止めを使ったのです。

このようにとにかく患者さんの傍らに少しでも長く居て、患者さんの全てを把握することを徹底的に求められました。一方、このような厳しさを他の職種にも求めすぎるきらいはありました。たとえば看護師さんが患者さんの尿量をチェックしていなかったら、厳しく問い詰めるとか、夜中の12時に深夜回診をしている組(消化器外科は患者さんが多かったのでふたつの組に分けて患者さんを診ていました)があったのですが、そちらの組の夜中の指示に「えー、今からですか?」なんてとても言えない雰囲気を作っていました。笑顔を作れる雰囲気ではなかったのです。

≫次回に続きます≪


 

野末睦(のずえ・むつみ)

初期研修医が優先すべきこと1―医師への選択、医師の選択(野末睦)筑波大学医学専門学群卒。外科、創傷ケア、総合診療などの分野で臨床医として活動。約12年間にわたって庄内余目病院院長を務め、2014年10月からあい太田クリニック(群馬県太田市)院長。
著書に『外反母趾や胼胝、水虫を軽く見てはいませんか!』(オフィス蔵)『こんなふうに臨床研修病院を選んでみよう!楽しく、豊かな、キャリアを見据えて』(Kindle版)『院長のファーストステップ』(同)など。

 

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