勤務医は何度も破産の危機に見舞われる!?―前編―医師への選択、医師の選択【第27回】

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著者:野末睦(あい太田クリニック院長)

 
質問:勤務医が経済的な側面で気を付けるべきことは何でしょうか?
※編注:質問に対する「私的結論」を次回掲載します。

医師は裕福だと思っている方がいるかもしれません。しかし少なくとも勤務医に関しては、その認識と全く異なった状態であるといえます。たしかに収入は一般のサラリーマンより高額ですが、医師特有の出費、裕福だという誤解からくる出費、見栄からくる出費、そして結婚、子育て、人によっては離婚などからくる出費が重なって、自己破産に陥ってしまった医師も実際に存在します。わたし自身も2度、貯金がほぼゼロになってしまって、電気代などの引落が無事できるかどうか真剣に検討したことがあるので、その経過を少しお話したいと思います。

医師が直面する一度目の危機

まず一度目の危機は米国留学から帰ってきて数か月後に起こりました。直接の原因は留学による出費でした。留学に行く前は先輩医師から「1年に2千万円は使うから、2年で4千万円は用意しておかなければならない」と言われていました。でも正直そんなに掛かるとは思いませんでしたし、幸い休職の身分で行けたので、大学からの給料もあり、さらに2年目は留学先からも多少の収入を得ることができたので、何とかなるだろうと思っていました。

渡米後は、家具や生活用品をガレージセールなどで安く調達したり、20ドル以上のものがほしい時はいったん帰宅して買うかどうか検討するようにしたりと質素な生活を送り、出費は抑えていたはずでした。

しかし実際は、留学前に500万円以上あった貯金も帰国時にはすっかり底をつき、口座からの引落を前に、妻と残高計算を毎日行いました。いろいろ計算してみると、おおよそ、毎年1500万円ほど使った感じでした。

出費の要因として、留学先が物価の高いボストンだったこと、子どもが当時4人いて教育費が思いのほかかかったこと、そして、たまにはぜいたくをと思い、夏休みには皆で観光に行ったり、ボストン交響楽団のコンサートを聴きに行ったりしていたことが響いたようです。

ですから、これから留学を考えている方は、予想以上の出費がありえるというつもりでお金の準備をしていく必要があります。わたしの場合、貯金が少なかったのもよくなかったのですが、これは留学の5年ほど前に建売住宅を購入したこと、大学院時代は奨学金を借りて何とか生活していたことなどが大きな原因でした。

≫次回に続きます≪

野末睦(のずえ・むつみ)

初期研修医が優先すべきこと1―医師への選択、医師の選択(野末睦)筑波大学医学専門学群卒。外科、創傷ケア、総合診療などの分野で臨床医として活動。約12年間にわたって庄内余目病院院長を務め、2014年10月からあい太田クリニック(群馬県太田市)院長。
著書に『外反母趾や胼胝、水虫を軽く見てはいませんか!』(オフィス蔵)『こんなふうに臨床研修病院を選んでみよう!楽しく、豊かな、キャリアを見据えて』(Kindle版)『院長のファーストステップ』(同)など。

 

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