コスト意識の低い職員たち…何が問題?どうすれば変わる?【ケース編】:病院経営ケーススタディーvol.5

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K病院の概要
    1. 病床数:200(一般病床80床 回復期病棟120床のケアミックス)
    2. 場所:首都圏郊外
    3. 職員数:約250名

    【K病院の他のケース】
    【vol.1】指示待ちの部下たち…自ら考える組織、どうやってつくる?
    【vol.3】「病院の方針理解できない」「意見しても変わらない」職員の不満、解消するには?

【K病院の幹部たち】

  1. 理事長 兼 院長:68歳・男性。外科医。創業者である父から引き継ぎ15年目。
  2. 理事:32歳・女性。理事長の娘で医師。K病院では勤務していない。病院経営に興味なし。
  3. 副院長:58歳・男性。内科医。人柄はよいが病院経営には関心がない。争いを好まない性格。
  4. 看護部長:58歳・女性。理事長にはあまり意見はしない。
  5. T事務長:45歳・男性。ボトムアップ型の経営改善コンサルティング会社に勤務していた。医療業界には精通していない。

T事務長は組織改革を進める中で、非常に気になる点があった。それは、院内の様々なルール、特にモノの購入ルールが不明瞭なところだ。企業では購入額などに応じて決裁権者を明確にしているほか、大きな投資についてはきちんと年度計画に基づいて行うのが一般的だ。一方、中小病院であるK病院では、経営会議の検討事案として上がってきたものは管理・決裁を行うことになっているものの、適応されるのは高額な医療機器くらいであり、それ以外の備品などはどのように購入の意思決定をしているのか、よくわからなかった。買いたいものがある場合、各所属長から理事長に相談をして決めているようではあるが、理事長が全て把握しきれているわけではなく、相談窓口が看護部長や診療部長の時もある。

総務課の担当者に確認してみたところ、「理事長に許可をもらったから」「看護部長に許可をもらったから」と口頭でのやりとりの中で購入を進めており、場当たり的と言ってもいいやり方で意思決定がなされているようだ。T事務長は「事務職員のコスト意識が総じて低い背景には、このような購入ルールのあり方が影響しているのではないか?」と考えずにはいられなかった。物品の購入ルールを見直すこととして、まずはきちんと現状把握しなければならない。さっそく、T事務長は様々な部署の職員にヒアリングしてみた。

職員の声



情報を集めれば集めるほど、T事務長は購買に関してほとんど無法地帯となっている現状に危機感を募らせていった。このままでは、不要なコストにより経営が圧迫されるリスクに加え、もっと深刻な影響をもたらす可能性もある。T事務長は、早急にルールづくりに着手することを心に誓ったのだった。

【設問】
  1. K病院ではどのような問題が生じていると考えられますか。
  2. 今後、どのように購入ルールをつくるべきだと思いますか。
加藤隆之(かとう・たかゆき)

40歳。下北沢病院(東京都世田谷区、一般病棟31床・回復期リハビリテーション病棟22床)事務長。病院向け専門コンサルティング会社にて全国の急性期病院で経営改善に従事。その後、「全国初の足と糖尿病の専門病院」下北沢病院の立ち上げに参画。中小企業診断士、経営学修士(MBA)、工学修士などの資格を有する。専門領域は病院経営、データ分析、組織マネジメント、コスト削減。(過去のインタビュー記事

<編集:角田歩樹>

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