医師と子育て―医師への選択、医師の選択【第37回】

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著者:野末睦(あい太田クリニック院長)

 
質問:良好な家族関係を築くにはどうしたらいいでしょうか?
※編注:質問に対する「私的結論」を次回掲載します。

現在、本当に幸いにも、わたしと家族の関係は良好だと感じていますが、過去にはいろいろな解決すべき課題を抱えていました。この領域はあまりにプライベートなことだけに、流石にここにも書きにくいことばかりです。そのようにいろいろなところに誰もが書きにくいことだからこそ、わたし自身もほかの人の経験から学ぶことが少なく、いくつかの判断ミスをしてしまったなあと振りかえっています。ですから、プライベートなことはできるだけオブラートに包みながらも、良好な家族関係を構築していくためのコツだと思われることをお話したいと思います。

まず子どもの教育についてですが、この連載の初めの頃に、わたしの幼少期から、中学高校時代のことを書きました。ちょっとしつこいくらいでしたが、実はこの項を意識していたからです。自分自身が子どもだったころに、どのように考えて、どのように困って、どのように人に言えない悩みをもって、成長してきたか。そのことを皆がそれぞれ思い出してほしいのです。

そうすると、ゲームに夢中になっている子ども、不登校になった子ども、いじめにあってしまった子ども、逆にいじめに加担してしまった子ども、そのような子どもの気持ちが少しだけ理解できると思います。子どもの教育は、そこからのスタートだと思います。

そして、子どもの教育は、実際は親ではなくて、他人から行われるという、当たり前のことを重視するといいと思います。できるだけ、明るく、楽しい、そして一生懸命な人生を送っている人とふれあう機会を増やしたり、海外一人旅に送り出したりしたことがわたしの子どもには、とてもいい影響を与えたように思います。

医師が子どもに見せる背中

少しだけ残念なのは、5人も子どもがいるのに、今のところ、医療関係、特に医師になる道に進んだ子どもが一人もいないということです。これについてはいろいろな要因が考えられますが、一番は、わたし自身が家に帰った時に、「楽しくて、やりがいのある仕事から帰宅したよ」というメッセージを、背中に漂わせていなかったためだと思います。いまでこそ、心の底から医師という職業を楽しんでいますが、子どもたちが進路を決める頃は、正直いろいろ疲れていて、また、忙しすぎて家に帰る頃には子どもたちは眠っていて、はつらつとした姿を示すことができませんでした。これが一番の理由だと思います。医師の友達のお子さんに、いろいろと問題を抱えていることが多いような気がしていますが、わたしと同じような状況をつくり出してしまっているのかもしれません。

≫次回に続きます≪

野末睦(のずえ・むつみ)

初期研修医が優先すべきこと1―医師への選択、医師の選択(野末睦)筑波大学医学専門学群卒。外科、創傷ケア、総合診療などの分野で臨床医として活動。約12年間にわたって庄内余目病院院長を務め、2014年10月からあい太田クリニック(群馬県太田市)院長。
著書に『外反母趾や胼胝、水虫を軽く見てはいませんか!』(オフィス蔵)『こんなふうに臨床研修病院を選んでみよう!楽しく、豊かな、キャリアを見据えて』(Kindle版)『院長のファーストステップ』(同)など。

 

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