病院事務職に求められる条件 これまでとこれから

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濱岡勇介(エムスリーキャリア 医療コンサルティンググループ)

2025年に向けて経営課題を突きつけられる中、医療機関が事務職に求める条件も大きく変わってきています。病院事務職の転職サポートに携わっている立場から、事務職に求められるスキルについて、これまでとこれからを比較して解説したいと思います。

“スペシャリスト型”事務職が活躍した従来

a0002_002252これまで、事務職のスキルアップのあり方は、「医事・総務などの各課をローテートさせてゼネラルな視点を養う」というよりは、「特定領域に秀でたスペシャリストになる」というのが一般的だったかと思います。医事課では、新卒からレセプト業務一筋でキャリアを歩んできた職人のような方が活躍し、総務課では元MRや元銀行員など、異業種から参入した即戦力の職員が強みを発揮する―そんな状況が広く続いてきました。

現在の制度では、医師事務作業補助者以外の事務職は雇用しても診療報酬の加算対象にはならないため、事務職の雇用人数を絞るケースもあり、人材不足ゆえに事務部門の人材開発やジョブローテーションにまで手を回す余力がないという課題も、現在まで残っているように思います。

病院経営者が事務管理職に求める“ゼネラリストとしての能力”

a0008_001844一方で、わたしが事務職と医療機関のマッチングをしていて感じるのは、「医事も総務も分かる事務職」、つまりゼネラリスト型の事務職を求める経営者が最近になって増えてきていることです。特に「事務長などの事務管理職には、ゼネラルな視点が必要不可欠」と断言する院長や理事長も珍しくありません。

こうした現況も、医療業界が置かれている環境を鑑みると納得がいきます。機能分化と地域連携が推進される現在の経営環境では、診療報酬体系の理解、地域医療機関との関係構築、介護事業との連携など、医事・総務を横断した知識を持って経営改革を断行してくれる人材が必須。事務長はもちろん、医事部門の職員においても、単にレセプトの誤請求・請求漏れに気づけるというだけでなく、データをもとに自院の状況を分析した上で、ほかのスタッフを巻き込んで経営改善につなげられる人材が求められています。

事務部門のリーダーを渇望する医療機関も

「リーダーシップを取ってくれる事務管理職がいてくれないと、今後の病院経営が成り立たない」―特に、これまで事務部門の人材開発に注力してこなかった医療機関や、2025年に向けて大幅な経営改革を必要としている医療機関ほど、そんな危機感を募らせています。医事・総務横断的な知識と行動力を身につけていくことが、これから病院事務職がステップアップを図っていくための一つの方法だとも言えそうです。

もちろん、経営幹部になることだけが病院事務職のキャリアのすべてではありませんが、転職市場において、病院の経営戦略を策定し、推進してくれる人材の価値が高まっているのは事実。当社にも、優秀な事務管理職に対して1000万円以上の年俸を提示する求人が寄せられており、需要の高さがうかがえます。現在の職場でさらなる活躍を望んでいるものの努力しても現状打破が難しい場合であれば、思い切って、所属の医療機関を変えてみることも選択肢の1つかと思います。

濱岡勇介(はまおか・ゆうすけ)
hamaoka慶應義塾大学経済学部卒業後、都市銀行にて法人取引、与信管理に従事。300床規模の医療機関などに対して、経営改善の提案、中長期計画の立案、融資を実行。その後、製造業の事業再生プロジェクトに参画、2012年にエムスリーキャリア株式会社入社。現在は、医療コンサルティング部門にて、医療機関の戦略立案とその実行を支援。

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