全国に数百社も存在すると言われる医師紹介会社。規模も強みもバラバラの各社のサービスをうまく活用する仕組みをつくり上げ、独自の医師採用を展開しているのが、医療法人社団創造会・平和台病院(千葉県我孫子市)です。過去2年で9人の医師入職につなげたという同院の事例を紹介します。
<今回取材にご協力いただいた方>
理事長・院長 土井紀弘氏
特命業務推進本部 本部長 人材招聘企画室 室長 千葉政昭氏
同医師グループ グループ長 関俊昭氏
地域での役割を果たすため 医師採用に注力
-法人の概要と、医師採用に注力されている背景を教えていただけますか。
土井理事長
現在、平和台病院は地域医療の中核的ポジションを担っており、我孫子市の救急患者の18%に対応しています。この数字は市内の2次救急病院におけるトップシェアに当たるとはいえ、市外の医療機関に依然として多くの救急患者を対応いただいているのも事実です。この状況を改善すべく、当院では様々な手立てを打っています。
2010年3月に救急センターを新設し、受入態勢を強化しましたし、2014年には緩和ケア病棟20床(新設)、リハビリ病棟34床(増床)を加えた224床にまで増床しました。
こうした規模拡大を行うためには、中核となるスタッフの採用が必要不可欠です。そこで、2014年4月から特命業務推進本部を立ち上げ、人材招聘企画室に医師採用専任のスタッフを配備し、採用体制を強化しています。
医師採用に人材紹介会社を最大限に活用
-人材招聘企画室では、どのように医師採用を進めているのでしょうか。
千葉室長
求める医師像や、各診療科の人事計画については、院内の状況やビジョンに基づいて、理事長からある程度指示があります。ただ、「医師をどう集めるべきか」を考えるのは、人材招聘企画室のわたしたちの仕事です。
室長のわたしはもともと現場の診療放射線技師ですし、医師グループ長の関も現場第一線で活躍してきた理学療法士です。現場の感覚も活かしながら、効果的な招聘方法を模索しています。
人材招聘企画室が発足する2年ほど前から、わたしは当院の医師採用担当を務めてきましたが、昨今は人材紹介会社を利用する医師が増えているのか、過去2年で9人もの医師が紹介会社経由で当院に入職しています。そこで、人材紹介会社とのつながりを活用して、いかに医師の紹介数を増やすかが、当院の採用戦略のポイントだと考えています。
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