採用に至る各フローを数値管理し、PDCAをまわす
千葉室長
キャリアシートの送付数や内容などは、エクセルで管理しています。
紹介会社からキャリアシートの打診が何件あり、そこから何件の面接につながり、最終的に何人の入職に至ったかを把握しておくことで、目標採用人数を達成させるために必要な行動量が、逆算できるようになります。
当院の場合は例えば、「キャリアシート送付から面接に至るのが3分の1、面接から入職に至るのがさらに3分の1」という過去データを大まかな目安として、医師採用がうまく行っているかどうかを判断します。
このデータを紹介会社ごとに見ていくことで、自院に合った会社が見極められますし、どのフローに改善点がありそうか、見えてきます。
-紹介会社からの医師の匿名キャリアシートを見て、「面接を設定するかどうか」の判断は誰がどのように行うのですか。
千葉室長
面接をするかどうかは、わたしたちが判断します。わたしたちと理事長との間で、「求める医師像」のすり合わせはできていますから、「面接すべきかどうか」の判断には、あまり時間をかけません。
面接で考えるのは、「笑わせられるかどうか」
-面接時に意識していることはありますか。
千葉室長
理事長とは面接前に、「どうやったら医師を笑わせられるか」を簡単に打ち合わせています。朗らかな雰囲気でないとコミュニケーション力の見極めは難しいと思いますし、こちらの雰囲気を読み取り、笑顔を見せてくれる医師は、患者さんともきちんと向き合ってくれるようにも感じます。
面接でのわたしの腕の見せ所は、「理事長のキャラクターをどう見せるか」だと思っています。朗らかな雰囲気をつくりつつも、一方でしっかりと、病院をどういう方向にもっていきたいのか語ってもらう。面接で、「理事長と気が合いそうだ」と思ってもらえたら、入職後もその医師は、何かあったら理事長に相談しやすくなり、働きやすくなりますから。面接終了時点の雰囲気で、当院で活躍して頂けそうな医師かどうかは、大体分かります。
土井理事長
入職される医師には、当院が目指す方向性に賛同して頂いた上で、周囲とコミュニケーションをきちんと取って働いてほしいという思いがあります。患者さんとはもちろん、他の医師やパラメディカル、事務スタッフともです。
一般的に医師というのは、自分の腕一本で勝負しようという、一匹狼のような方が多いと思います。でも本当は、医師1人で病気を治せるわけではありません。チームとして病気に立ち向かっていくことを理解してくれる医師と、一緒に働きたいですね。
医師採用とは、理想の病院をつくること
-貴院の医師採用体制には、随所に工夫を感じます。どんなモチベーションを持って、医師採用を行っているのでしょうか。
関グループ長
わたしが医師採用に携わりはじめてから、まだ4か月ほどしか経過していませんが、千葉室長から繰り返し言われるのは、「医師採用とは、『理想の病院』をつくる一つの方法である」ということです。もともと、わたしは理学療法士として現場で働いていたので、その感覚を存分に活かして、現場と事務部門が温度差なく、同じ思いを持って支え合えるような病院をつくっていきたいと思っています。
千葉室長
医師採用に限らず、「苦労を楽しもう」という姿勢がとても大事ではないかと思います。確かに医師採用は簡単ではありません。でも、病院の中核を担う医師を集めるという仕事は、病院づくりそのものですから、我々自身が「こんな病院をつくりたい」という理想を持って主体的に関わることが、何よりも大切なことのように思います。
わたしにとって「理想の病院」とは、「『ありがとう』と言い合える病院」です。これはわたしが現場で診療放射線技師として働いていたころから、思っていたことでもあります。
多くの患者さんにとって病院は、来たくて来るような場所ではありませんし、治療の過程で、つらい生活を強いられる方もいらっしゃいます。ただ、そんな環境であっても、患者さんや職員が、お互いに感謝の気持ちを忘れずに、「ありがとう」と言い合えるような病院をつくりたい。そのためには立派な設備があるだけでは不十分で、共通の思いを持った人材が活躍してくれることが必要不可欠です。
●「顔の見える関係」のコンサルタントに常に最新情報を共有。「医師を紹介したい」と思われるような関係を築く
●採用活動を数値管理し、PDCAをまわしている
●医療専門職出身の人材招聘企画室メンバーが「理想の病院」のビジョンを持って、主体的に医師採用に取り組んでいる
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