病院事務職キャリア相談室vol.3:上司不在の係長、医事業務を独学「このままで良いのか」

【質問者】医事課係長 Oさん(仮名)

30代後半、男性、医事課歴 10年以上

大学卒業から10年以上、病院の医事課を担当しております。医事課員からスタートし、現在は係長として勤めておりますが、医事課長が不在のため実質、医事課の管理を任されています。
係長に昇格できたことは光栄ですし、待遇に不満があるわけではありません。しかし、現在の病院でしか業務経験がなく、課長が不在のため施設基準やレセプト業務、改定対応について独自に学んできた状況です。相談できる上司もいないため、「このままで良いのか」という不安と疑問を抱いています。

DPC対象病院の経験もありませんし、今後のキャリアを考えると、別の病院で経験豊富な医事課長の下につきノウハウを学ぶことを考えた方が良いのか、このまま現職で働き続けた方が良いのか悩んでいます。そもそも今の自分の経歴で転職を考えることは可能なのでしょうか。

【回答者】雪竹舞子(事務職専門コンサルタント)

医療事務職キャリア相談室ご質問ありがとうございます。新卒時から現在まで継続して就業されているので、転職のハードルが高く感じられてしまう気持ち、お察しいたします。実は同じようなご状況の方は少なくありません。

さて、最後のご質問からお答えしますと、転職は可能です。30代後半は医療機関が補強したいと考えている年齢層ですし、Oさんのような「医事課の管理職候補」を迎え入れたいという需要も高いです。転職先を幅広く選べる可能性が高いでしょう。

元々のご相談は、現職に留まるか転職かでお悩みというお話です。前述のように転職先には事欠かなそうな反面、どのようなキャリアを選ぶかは悩ましい問題です。
また、これは将来に大きく影響する意思決定となります。Oさんがお考えになっているように、DPC対象病院にチャレンジし、医事課長の指導の下、新たなスキルを身に着けることも可能でしょう。あるいは、待遇に不満はないということですから、現職でのキャリアを大事にしてこのまま管理職を目指すことも選択肢の一つです。不安に思われている施設基準やレセプト業務に関してはOさんが病院に働きかけ、外部から医事の経験者を雇ったり、講師を招いたりといった手段もとれます。事務方の体制強化を上長に提案し、実現されていけば、いずれ医事課長への昇進も考えられるのではないでしょうか。

まずは、ご自身がどのようなキャリア、たとえばスキルや役職を求めているのか。それが、現職では手に入らないのか。可能だとして、実現までの期間は許容範囲か。これらを検討するところから始まると思います。
[adrotate group=”14″]

雪竹舞子(ゆきたけ・まいこ)
エムスリーキャリア株式会社 経営支援事業部 事務職紹介グループ
大学卒業後、企業にてBtoC営業とセミナー企画・運営に従事。兄弟が先天性の疾患を抱えていたことから、思い入れの強かった医療業界に飛び込むべく、エムスリーキャリアに入社。現在は、前職での営業経験も活かしながら「顧客ファースト」を信念にキャリアコンサルタントとして活動中。趣味はミュージカル・舞台鑑賞で、月1回の鑑賞を欠かさない。

関連記事

  1. 医師という職業とは―医師への選択、医師の選択(野末睦)

コメント

コメントをお待ちしております

HTMLタグはご利用いただけません。

スパム対策のため、日本語が含まれない場合は投稿されません。ご注意ください。

医師の働き方改革

病院経営事例集アンケート

病院・クリニックの事務職求人

病院経営事例集について

病院経営事例集は、実際の成功事例から医療経営・病院経営改善のノウハウを学ぶ、医療機関の経営層・医療従事者のための情報ポータルサイトです。