クリニックでは、医師の採用に成功するかどうかが、経営に大きな影響を与えます。
急遽医師を採用する必要が出てきたり、複数施設での採用を同時に進めなければならなかったりと、クリニックならではの採用の悩みも多いのではないでしょうか。
そんなクリニックの医師採用担当者からのよくある質問に、採用支援コンサルタントがお答えします。
目次
- Q.退職者が突然出てしまい、とにかく急いで医師を採用したいのですが……
- ポイント1:医師に響く求人をつくる
- ポイント2:効果的な採用チャネルを見極める
- ポイント3:求人を広める(広報)
・人材紹介会社の強化ポイント
・求人広告の強化ポイント
Q.退職者が突然出てしまい、とにかく急いで医師を採用したいのですが……
回答者:エムスリーキャリア 採用支援コンサルタント
A. 医師数の少ないクリニックでは、欠員に伴う“急募”の採用が珍しくありません。しかし、クリニックで出した医師の求人が1年以内に決まる確率はわずか1割に満たないという調査結果もあります(当社調べ)。もちろんエリア・診療科によって差はありますが、急募の場合はこうした採用難易度もふまえ、求人の内容や採用手法を吟味する必要があります。
では、急募の医師採用ではまず何をすべきなのでしょうか。ポイントは以下の3点です。
(1) 医師の心に響く求人をつくる
(2) 効果的な採用チャネルを見極める
(3) 求人を広める(広報)
具体的にどうすればいいのか、順番にご説明します。
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ポイント1:医師に響く求人をつくる
医師からの応募・紹介を集めるには、まずはきちんと求人をつくることが必須です。
「お会いしないと具体的な条件提示はできない」「面接に来てくれれば当院の魅力が伝わるはず」と、求人に詳細を明記しない施設様も珍しくありませんが、具体的な条件・働き方がイメージできない求人は医師の興味を引くことができず、結果的に面接すらできない、という事態に陥りかねません。
知人紹介の場合でも、求人はぜひつくっていただきたいです。「年収などを提示するのが失礼に当たるのではないか」と考えたり、「仲介者から紹介された時点でほぼ入職が決まっているのに、条件面を細かく伝える必要はないのでは……」と感じたりするかもしれません。しかし入職後、トラブルや早期離職に発展するリスクを考えると、やはりできるだけ詳細に条件を決め、共有しておくことをおすすめします。
求人をつくる上でのポイントは、以下の3点です。
- 医師に求める最低限の条件と、ある程度は融通できる条件を明確にする
- 妥協できる条件はできるだけ緩和する(もしくは柔軟に相談に応じる旨、求人内に明記する)
- 情報量をできるだけ多くする
ポイント2:効果的な採用チャネルを見極める
求人を作り込んだら、次にどこでその求人を露出していくか、を決めます。
医局人事が見込めないクリニックの採用手法は、知人紹介、人材紹介会社(紹介会社)、求人広告、自院のサイトなどが挙げられます。
では、どの手法を利用するのが効果的なのでしょうか。医師の転職手段を見てみると、クリニックへの転職は紹介会社・求人広告経由が50%以上を占めています(図1)。「採用を急いでいる」「伝手のみで探すのが不安」という場合は、まず紹介会社・求人広告を活用してみてはいかがでしょうか。
紹介会社は前述の通り、エージェントが仲介する形で、医療機関に求職中の医師を紹介するサービスです。利用社数の目安は、少なくとも5~10社、できれば10~20社程度をおすすめします。紹介会社の仕組み・選び方についてはこちらの記事をご参照ください。
また求人広告とは、インターネット上に求人を掲載して求職者の直接応募を募るサービスです。まずは検索時に上位表示されているサイトに求人を出してみることをおすすめします。
ポイント3:求人を広める(広報)
クリニックが求人を出して1年以内に決まる確率が1割に満たないことを考えると、特に急募の場合は、求人・採用手法の精査だけでは不十分と言えます。紹介会社・求人広告の2つに絞って、強化すべきポイントをお伝えします。
人材紹介会社の強化ポイント
紹介会社経由の採用は(1)コンサルタントから医師へ求人を提案→(2)面接→(3)入職というプロセスです。
弊社では目安として「紹介会社のコンサルタントから医師への提案40件→面接設定3件→採用1件」(※)という指標をお伝えしています。つまり、1名の医師を採用するには40名の医師へ求人が提案されなければなりません。
※採用支援コンサルタントが採用戦略立案~実行支援まで一気通貫で支援した場合の参考値。エリアや診療科によって異なる場合があります。
このため、提案数を増やすための取組みが非常に重要です。たとえば、以下のような取り組みが強化につながるでしょう。
・利用する紹介会社数を増やす
・求人の質を高める(情報量を増やすなど)
・紹介会社への連絡頻度を増やす(求人の改善点の確認、どのような医師が多いかの確認など)
求人の内容をどう改善して良いかわからない、という場合も、紹介会社に問い合わせてみましょう。紹介会社のコンサルタントは多くの医師と接しているため、医師目線で改善点を教えてくれるはずです。
求人広告の強化ポイント
求人広告は、いかに医師の目に留まるようにするかが重要です。新着順などで掲載されることが多いため、以下のような取り組みが強化につながるでしょう。
・掲載内容を頻繁に更新し、上位表示を狙う
・掲載内容をブラッシュアップする(情報を細かく、明確に、わかりやすく示す)
求人サイトには多くの求人が掲載されていますから、他の求人を見てみて、魅力的と感じる求人を真似してみるのもいいと思います。
このほか、最近では、医療機関が自ら求職中の医師にオファーをかけるという採用手法も広まりつつあります。期日までに採用するために、より具体的な対策を知りたいという場合はお気軽にお問い合わせください。
※記載内容はエムスリーキャリアの採用支援サービスの場合
【即戦力の医師をスピード採用!】
医師採用のスピードを上げるためには、転職意欲の高い先生にアプローチしていくことが大切です。
スピード採用成功の3つのステップ
- エリア内の候補者数や希望年収など、最新の採用データをチェック
- 毎週配信される転職希望の医師一覧(匿名)から、要件に合う医師を選ぶ
- 先生の希望・相場をふまえ“医師に響く求人”でオファーを出す
この3ステップにより、効果的、効率的な採用活動が可能になります。
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