神奈川県で“医師面接ゼロ”のクリニックが、2カ月のスピード採用を叶えるまで―医療法人社団 天友会

神奈川県内で2つのクリニックを運営する医療法人社団 天友会。新規分院の立ち上げに伴い、相模原市にあるクリニックの院長候補を採用することになりました。複数の医師紹介会社と契約したものの、都心を希望する医師が多いためか、紹介の連絡はほとんどありません。待つことしかできない状況にしびれを切らした事務局長の門村達也氏は、“攻めの採用”に舵を切りました。
求職中の医師にオファーを出し始めたことで、約2カ月で採用に至ったのです。門村氏は、スピード採用の勝因について「求人の内容を、『来ていただきたい』と思った1人の医師の心に刺さるような内容にアレンジしたこと」と語ります。

目次

医療法人社団 天友会が運営する「星が丘整形外科リハビリテーションクリニック」(旧「あいごり整形外科 星が丘院」)(神奈川県相模原市)

「星が丘整形外科リハビリテーションクリニック」がある、神奈川県相模原市

医師採用は必須!しかし面接ゼロで募る危機感

――今回、貴法人で医師を採用することになった経緯を伺えますか。

当会は現在、神奈川県内で整形外科を中心とした地域密着型クリニックを2つ運営しております。数年後に総合病院を立ち上げるビジョンを掲げ、それに向けて新規分院を順次立ち上げる計画を進めています。今回は、3院目の新設に伴い、2院目として2018年に開設した「星が丘整形外科リハビリテーションクリニック」(相模原市)の院長をお任せする医師を採用することになりました。

PT(理学療法士)10人体制でリハビリに力を入れており、開院以来、順調に運営させていただいているクリニックです。最近リハビリセンターも増築し、2020年8月から稼働予定です。また、スポーツ医療にも取り組んでいます。

――これまで、医師を採用する上でどのような課題があったのでしょうか。

手前味噌ではありますが、業務のやりがいや法人の将来性には魅力があると自負しておりますし、待遇や働き方についても先生のご希望に応じて柔軟に調整させていただきます。そのため、「先生に面接にお越しいただければ、きっと興味をもっていただける」という自信はあったのですが、そもそも面接までに至らないのが課題でした。

複数の医師紹介会社と契約していましたが、相模原市での勤務を希望される先生が少ないからなのか、紹介はほとんどありません。何が問題となっているのか、どんな工夫をした方がいいのかというフィードバックをいただけるわけではないので改善もできず……。少しでも有力な情報をキャッチできないかと、毎日のように複数の紹介会社の担当者に電話していましたが、収穫は全くと言っていいほどありませんでした。

医師が採用できなければ、法人の事業展開そのものに影響してきますので、危機感は日に日に募っていきました。

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採用活動でできることが格段に広がったプライム導入

事務局長の門村達也氏

――そこで、医療機関が医師にオファーを出せるエムスリーキャリアの「M3 Career プライム」(以下、プライム)を導入したのですね。決め手は何でしたか。

なんといっても、「医師採用を待ちの姿勢から、攻めの姿勢へ」というコンセプトですね。これまでの医師採用は、紹介会社から医師を紹介されるのを待つしかなく、さらに言うと、その紹介がなければ私たちにやれることはほとんどありませんでした。

でもプライムは、求職中の医師の一覧(※)を自分で確認し、来ていただきたい先生を選ぶことができます。さらに、先生の情報に合わせて、求人をカスタマイズすることもできる。こちらが医師に対して取れるアクションが、格段に広がるんです。まさに、私たちが求めていた医師採用の形でした。

※求職者の同意が得られた情報を配信しています

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採用したい医師に合わせて、“響く求人”にアレンジ

――院長候補を2カ月で採用できたのは、プライム利用施設の中でもかなり早い方だと思います。スピード採用の要因はなんだったのでしょうか。

配信されてくる候補者の一覧をチェックしていると「やはり東京での勤務を希望される先生が多いんだな」と市場感がわかってくるのですが、そんな中でも、当院のある神奈川県での勤務をご希望で、なおかつご経歴的にもマッチするような先生を早い段階で見つけられたことは、まず幸いだったと思います。

また、その先生にオファーを出す際に、配信された情報を踏まえるのはもちろんですが、コンサルタントにも先生のご希望やご状況をヒアリングし、希望にできるだけ添えるような求人内容にしました。

コンサルタントからは、医師が求人を見る際の4つのポイント、①年収、②エリア、③勤務内容、④QOL―について聞いていましたので、これらを押さえた上で、「先生が特に重視されているポイントはどこだろう」と考え、先生に響く求人とオファー文になるように工夫しました。

それがよかったのか、先生に興味を持っていただき、面接までスムーズに進めることができました。

M3 Careerプライムでは、匿名の求職医師一覧が毎週配信される(画像はイメージ)

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――これまで課題となっていた面接が実現したのですね。面接を実施する際に工夫した点はありますか。

面接は我々にとっては採用を判断する場であると同時に、先生に選んでいただくためのアピールの場でもありますので、準備はしっかり行いました。

面接に同席する理事長や副院長には事前に、「面接にいらっしゃる先生は、こういう理由で転職を希望されていて、こういう点を懸念されています」と情報を共有し、当日の流れを打ち合わせました。例えば、理事長には法人のビジョンを、現場の副院長からは具体的な実務をお話しすることで、面接にいらっしゃる先生が当会やクリニックで働く未来をイメージできるように意識しましたね。また、先生が懸念されている点についてもコンサルタントから事前に聞き出していたため、面接の中でその懸念点が解消できるように努めました。

面接では先生にいい印象をもっていただいたようで、無事に内定を受諾していただくことができました。

また、面接前にコンサルタントを通じて当会資料を先生にお渡ししていたことも、ミスマッチが起こりにくかった理由の1つかと思います。あらかじめ資料で法人ビジョンやクリニック概要などを説明できたおかげで、面接がスムーズでした。

実感した、求人サイトや紹介会社とは異なるメリット

――門村さんは複数クリニックの事務局長ということで、採用以外の業務もお忙しいかと思います。毎週配信される一覧のチェックやオファー文の作成などは負担ではなかったですか。

いいえ、むしろプライムを導入したことで採用業務が整理され、楽になったと感じるくらいです。プライム導入前の「医師を採用しないといけないのに待つしかない、なにもできない」という状態の方が、精神的な負荷はありました。「もっと契約する紹介会社を増やすべきなのか」「求人を書き直した方がいいのか」「ツテを頼って探すべきか」といろんなことを考えて、やみくもに動いていたように思います。

その点、プライムは、配信される一覧をチェックし、オファーしたい医師を見つけて、オファーを出す――と、やるべきことが明確でした。

また、コンサルタントと連絡を密に取り、相談をしながら進められたことも心強かったです。常勤医の今年の採用計画は無事達成できましたが、今では非常勤やスポットなど医師採用全般をそのコンサルタントの方に相談しています。

――医師紹介サービスは成功報酬が基本となっていることが多い中、プライムは月5万円からの定額制です。抵抗感はなかったですか。

法人にとって1人の医師を採用できる価値を考えると、必要経費だと判断しました。また、毎週配信される求職者の匿名の一覧に、専門科目や年齢などの基本情報だけでなく、「転職によって叶えたいこと」が記載されているのも大きな価値があると思います。これらの情報と、コンサルタントへのヒアリングを踏まえて、その先生の条件や価値観に合った求人を作成して提示できるのは、今までの医師採用ではできなかったことです。

求人サイトに掲載したり、医師紹介会社に預けたりする求人情報は、多くの医師に見てもらうことを前提としますので、どうしても条件の幅を広く持たせる必要がありますし、訴求もぼやけてきますから。

毎週配信される求職者情報。「転職によって叶えたいこと」も記載されている(画像はイメージ)

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また、プライムを利用すると、エムスリーキャリアだけでなく、エムスリーキャリアが提携しているほかの医師紹介会社にも求人情報が配信されるため、急にあちこちから連絡が来るようになりました。面接には至りませんでしたが、これまで紹介会社からは全くと言っていいほど連絡がなく、むしろこちらから電話をかけているくらいだったので、反響に驚きました。

※全国130社が利用する人材紹介会社専用サイトに求人情報を掲載できる

法人と同じ夢に向かって進んでいける医師を採用したい

――来年度以降も医師の採用を進める見込みということですが、どのような医師に働いていただきたいですか。

当会はスピード感を持って事業を展開していますので、変化に柔軟で、変化を好む先生には興味を持っていただきやすいかと思います。「今までの病院ではこうだった」と考えるよりも、「新たな常識を一緒に作っていきたい」と思っていただける先生の方が、ご活躍いただける法人、クリニックです。

理想は、当会と同じ価値観を持ち、同じ夢に向かって働いていただけることですね。

――門村さんはもともとPTだとお聞きしました。法人事務局にキャリアシフトし、医師採用などの業務に熱心に取り組んでいらっしゃいますが、その原動力はなんでしょうか。

3年前まではPTとして働いてきましたが、2年前に法人事務局に異動しました。現場の感覚がわかる自分が事務局に入ることで、いい医療の提供と、健全な法人運営を両立させていきたいと思ったことがきっかけです。

採用業務や2つのクリニックの運営業務をメインにしながら、いまもPTとして定期的に臨床の現場に入っています。また、医療経営士の資格も取得しました。

自分が持つ技術と知識を最大限に生かして、目の前の患者さんの幸せにとどまらず、スタッフの幸せ、法人の成長を実現していくことが、今の私のモチベーションになっています。

即戦力の医師をスピード採用!

医師採用のスピードを上げるためには、転職意欲の高い先生にアプローチしていくことが大切です。

スピード採用成功の3つのステップ

  1. エリア内の候補者数や希望年収など、最新の採用データをチェック
  2. 転職希望の医師一覧(匿名)から、要件に合う医師を選ぶ
  3. 先生の希望・相場をふまえ“医師に響く求人”でオファーを出す

この3ステップにより、効果的、効率的な採用活動が可能になります。

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