インフルエンザが流行るこの時期、話題に挙がるのが「マスク問題」。わたしが以前、いくつかの病院の医事課に勤めていたときも、その対応方針はまちまちでした。
病院によっては、マスクを原則禁止にする場合もあります。これは接遇の観点からマスクが好ましくないという判断によるものですね。たしかに、ホテルやデパートでマスクをしているスタッフを見かけたことはありません。マスクがあると表情が見えづらかったり、声が聞き取りづらかったりして、コミュニケーションが図りづらくなる可能性はあるでしょう。
とはいえ、「病院はデパートやホテルとは違う。感染予防の方が大事だ」という考え方も当然ながらあります。もしも職員がインフルエンザに罹って、患者さんに移すようなことがあれば、元も子もありません。実際、マスクをする職員を見て、安心感を得る患者さんもいらっしゃいます。
どう判断するかは難しいところですが、一つ感じるのは、マスクをしていても工夫次第で患者さんに納得してもらえるコミュニケーションは取れるということです。院内掲示でマスク着用の理由を説明したり、会話時は声のトーンや表情を少しオーバーにしたりといったことは大事です。
特にマスクをしても見える「目」や「眉」の動きに気を配ると、円滑なコミュニケーションを実現できたように思います。
自院が患者さんと信頼関係を築くにはどのようなコミュニケーションがあり得るか―と考えさせられる、毎年のインフルシーズンでした。
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