「受け身の病院事務職」では生き残れない時代が到来する―榊原記念病院 佐藤譲氏【後編】

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病院の事務管理職としてキャリアパスを築く上で、どんな経験や素養が必要なのだろうか。前回に続き、日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院で監理部 部長(企画・運営担当)を務めている佐藤譲氏にお話を伺いました。佐藤氏のキャリアから導き出される、これからの事務職に求められることとは―。

【前回の記事】
『受け身の病院事務職』では生き残れない時代が到来する【前編】

経営工学修士ならではの発想と自己学習の習慣

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病院事務職としては珍しく、経営工学の修士号を保持している佐藤氏。医療業界に入ろうと思ったのは、大学時代に病院を研究対象としたのがきっかけだったという。大学4年次、所属していた研究室の行事の一環で、東海大学病院で1ヶ月間の看護実習をする機会を得、そこで看護師の働き方や病院管理のノウハウを目の当たりにし、自然とその面白さにのめり込んでいった。就職先として医療業界が思い浮かんだのは、ごく自然な流れだった。

「大学院卒で就職したのは、看護・介護・福祉職の教育・出版・情報サービスを提供している会社でした。そこでは、関東圏内の病院の営業担当となり、看護部長たちの声を聞きながら、『どんな雑誌がいいか』『どんなセミナーが喜ばれるか』とヒヤリングを重ねながら人脈を広げていました。しかも、日本医療マネジメント学会の前身であるクリティカルパス研究会という集まりにお邪魔させていただいていました。その後、半導体の会社である日本モトローラ株式会社 医療システム本部に入り、アメリカの病院で使われているクリティカルパスを用いた電子カルテ等のシステム開発・保守に携わったり、国立医療・病院管理研究所では院長研修で経営工学の講義をさせてもらい、病院管理研究協会では公立病院の経営改善の指導をさせてもらい、日本訪問看護振興財団では訪問看護師数を増やし、訪問看護ステーションの経営充実を目指すなど・・・榊原記念病院に入職するまで、さまざまな形で医療に携わってきました」という佐藤氏。一連のキャリアの中で、経営工学で学んだ「ヒト・モノ・カネ」の管理手法を活かして医療業界に貢献したいという思いは一貫していた。加えて、キャリアの節目に立ちかえる、一つの思いがあるという。

「『チャレンジングな環境に身を置いて、自分を高めていきたいと思い』が、いつもどこかにあります。これまでの強みを活かしながらも、自分の足りない部分を自覚し、それを補う過程でさらに自分を高めていけるような環境を求めて、キャリアチェンジを重ねてきました」
慣れない職場でも過去の経験を活かして、足りないことを学ぶ。そして成果を出すために自分を追い込み、新たな能力を開拓していく―そんなキャリアを歩んできた佐藤氏にとって、榊原記念病院の移転・運用はまさにその集大成だったと言えるのかもしれない。

病院事務管理職に大切なのは「新しいことを学びながら、能力を発揮すること」

自分を追い込みながらも成果を出し続け、事務管理職としての役割を全うし、さらに、現在、公立大学 経営学研究科 博士後期課程経営学専攻に通われ、経営学の博士号取得に励んでいる佐藤氏は、これから事務管理職を目指す若手職員に必要な経験や姿勢について、次のように語る。

「これまでは『病院の機能を守り、維持すること』が事務職の主な仕事だったと感じますが、そんな時代はもう終わりではないでしょうか。これからは受け身ではなく、現場の雰囲気を読み、何が必要かを判断して自発的にいろんなことを学び、周りを動かしながら学んだことを実行できる―そんな事務管理職が求められると思います。

医療業界が劇的な変化にさらされている中で、誰かが教えてくれるのを待っていては手遅れです。事務職向けの研修体制が充実している医療機関は限られている状況だとは思いますが、わたし自身も誰かに教わることはほとんどなく、自分で自分を追い詰めて、ここまでやってこられた実感があります。自分から学習する姿勢を怠らず、また、学習したことをあちこちで発揮する姿勢を持つこと。それが事務職としてキャリアを切り拓く方法ではないでしょうか」

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佐藤譲(さとう・ゆずる)

経営工学修士を修めた後、システムエンジニアなど幅広くキャリアを重ねる。
その後、日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院に入職し、病院移転を完遂。現在は監理部 部長を務める。

 

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