「医師採用向き合ってこなかった」精神科病院が、9カ月で医師3名を採用するまで─AMG 横浜相原病院 酒井篤史事務長

28病院10クリニックを有する上尾中央医科グループで唯一の精神科病院、医療法人社団 哺育会 横浜相原病院(神奈川県、353床)。5種類の精神科病棟を有するほか、精神科デイケアでは社会生活復帰トレーニングを提供するなど、幅広い世代のニーズに応えて地域を支えています。
しかし、医師採用に関しては「ちゃんと向き合ってこなかった」がゆえに苦戦していたそうです。そんな中、ある手法を取り入れ、9カ月で3名の医師を採用することに成功。期待できる医師の応募が増え、採用枠を急遽増やし、予定以上の人数を採用する決断までしました。
事務長の酒井篤史氏に、短期間で成果を挙げられた要因を聞きました。

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目次

提供:横浜相原病院

求人を「出しているだけ」では先生につながれない

─貴院は横浜駅からほど近い立地でアクセスがよく、大手法人による運営で設備も充実しています。医師採用を行う上で、どのような課題があったのでしょうか。

端的に言うと、「医師採用にちゃんと向き合えていなかった」のだと思います。
私は2019年の春に当院の事務長に就任しましたが、その時点では一応求人を出しているものの、紹介会社に情報提供するなどのアクションはとっていませんでした。「採用したい」という意志を明確に示せていなかったので、紹介や面接に至ることは少なかったのだと思います。

ウェブ取材に応じる酒井事務長

─今回、医師採用に本腰を入れなければならない理由があったということでしょうか。

もともと、「あと1人、こういう先生がいてくださったら」というニーズがあったことに加えて、10名の常勤医師のうち1名が産休・育休に入られたため、医師採用の緊急度が増して「本気で取り組まなければ」となったのです。

─それで、求職中の先生にオファーを出すという能動的な採用方法を取り入れたんですね。

はい。運営母体である、上尾中央医科グループ(AMG)のミーティングで医師採用に困っている、という話をしたら、久保田巧総局長から「求職中の先生のプロフィールを見てオファーを出せるサービスがあるから、使ってみては」と助言をもらったことがきっかけです。法人内の他施設でも導入・成功実績があると聞き、2019年11月からM3Careerプライムを導入しました。

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求職医師プロフィールで「腕も心もいい先生」か読み取り

─具体的には、どのような流れで採用を進めたのでしょうか。

「M3Careerプライム」では週に1回、エムスリーキャリアに登録した最新の医師の一覧・プロフィール(匿名)が配信されます(※1)。その中から気になる先生を選んで、オファーをかけるという流れです。プライムの担当者が、先生の希望に合わせた求人票・オファー内容をつくって、提案や調整を進めてくれます(※2)。

※1:求職者の同意が得られた情報を配信しています
※2:サービス内容はプラン・オプションによって異なります

─求職者情報を見るようになったことで、採用活動に変化はありましたか。

多くの医師のプロフィールを見られるので、数をこなすうちに、なんとなくではありますが「腕も心もいい先生」かどうか、をプロフィールから読み取れるようになってきたと感じます。ただ、私はこれまで一般病院で事務長をしていたため、精神科での医師招へいには慣れない部分もありましたし、やはりお会いしてみないことには判断が難しい。可能性を狭めないためにもなるべく多くの先生とお会いできるよう、オファー段階ではあえて数を絞り込まないようにしていました。

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─求職者情報の中で、特に重視されていた項目はありますか?

プロフィールを総合的に判断するというか、 フィーリングの部分も大きいので「ここを見ればOK」というものはありませんが、転職歴、すなわち転職の回数が多いかどうかは必ずチェックしていましたね。長く勤めていただけそうかどうか、という観点は常に持っていました。

─実際に面接で先生とお会いする際は、どのような点を意識されていたのでしょうか。

それも一番はフィーリングです(笑)。医師としての資質は院長・副院長が見ているので、私は主に、入職後に他の先生やスタッフと良好な関係を築いていただけそうかを確認していました。

あとは、なるべく先生の疑問や不安を払しょくできるような情報提供を心掛けています。 たとえば、精神科の先生は身体合併症への対応をすごく気にされる方が多いので、常勤医師の中に内科の先生がいることや、グループ内外で一般病院と連携しているため、受け入れ先の調整などもスムーズに行えることなど、具体的にお伝えしていました。

また、当院ではこれまで訴訟は一度もなく、仮に先生が巻き込まれそうになっても、病院としてしっかりサポートする旨、院長が説明しています。収益性最優先ではなく、先生のやりたいことはどんどん声を上げてくださいと院長から伝えている点も、特に若手の先生には響いているのかもしれません。

転職というのは人生における大きなイベントですので、先生に安心感を持っていただくことが大切なのではないでしょうか。病院見学も、必ず院長が自ら案内することで、当院についての理解を深めていただくと同時に、当院の思いを感じてもらえたらと考えています。

成功の要因は、アプローチできる先生の「革命的な増加」

─今回、9カ月という短期間で3名の先生の採用に成功した要因は何だとお考えですか。

やはり、求職中の先生の情報を見てオファーするという採用手法を取り入れたことが一番大きいですね。どんな先生が、どういう理由で転職をしようとされているのか、という理解が以前より格段に深まりましたし、アプローチできる先生の数が革命的に増えたからこそ、採用に結びついたのだと思います。

当初は1~2名の採用予定でしたが、「ぜひ来ていただきたい」という先生が見つかったので、3名の採用に至りました。2021年度の春に入職いただく予定ですが、お人柄のいい先生ばかりなので、今から楽しみです。

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─新型コロナウイルス感染症が拡大する中での採用活動でしたが、影響はありましたか。

中には感染症対策を担う中核病院にお勤めの先生もいたので、面接の予定が3~4カ月ほど遅れるなどの影響はありました。採用スケジュールが遅延するなどの影響はありましたが、入職していただくことが最優先ですので、時期のことは二の次で考えていました。

ウェブ面談/面接の導入なども俎上に上がりましたが、当院の魅力の一つが若い職員が多く、明るく活気のある雰囲気ですので、やはり直接病院にお越しいただき、肌で感じてほしいという院長の意向もあって、対面の方針を貫きました。

─今後の展望があれば教えてください。

現在は、当院の中長期計画の実現に向け、行政の許認可取得に動いています。ただ、何をするにも常勤の先生の力が必要なので、医師採用は病院の未来を左右する重要な業務と位置づけています。オファーにより3名の先生を採用することができましたし、人件費の観点から無尽蔵に採用枠を増やすわけにはいきませんが、今後も採用基準は見直しつつ、求職者情報をチェックして、気になる先生には積極的にオファーをかけていきたいと考えています。

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