医学生・研修医はどのように診療科・研修病院を選ぶべきか―医師への選択、医師の選択【第13回】

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著者:野末睦(あい太田クリニック院長)

質問:どのようにして、将来進む診療科を選択し、臨床研修病院を選びますか?
※編注:質問に対する「私的結論」を次回掲載します。

大学生活も終盤に差し掛かると、自分自身の進路について、皆思いめぐらすでしょう。どこで研修をしようか?外科系が向いているのかな?内科系?その中でもどの診療科に進もうか?私もいろいろ考えましたが、ちょっとしたエピソードをお話したいと思います。

自分の「なりたい」を大事に

前に少し書きましたが、中学時代の成績はかなりいい方でした。担任のA先生はクラス担任に加えて、私の在籍していたバレーボール部の顧問の先生でした。ですから、私の長所も短所も何もかも知り尽くしていました。その先生が私の卒業の時に「野末君、君は優秀でなんでもできるけど、ちょっと手先が不器用だから、医者にだけはなるなよ」とアドバイスしてくれたのです。その頃は政治家になりたいと考えていたので、あまり気にも止めていなかったのですが、高校3年になっていざ医学部への進路を考えた時に、その言葉を思い出しました。

無事筑波大学に合格した後、A先生のところにご挨拶に行ったとき、先生もその言葉を覚えていてくれました。「野末君、『医者だけにはなるなよ』といった言葉、守ってくれなかったけれど、まあ、おめでとう。医者にもいろいろあるから、手先が不器用な君は外科医にだけはなるなよ」。こんな中学時代の恩師の言葉にもかかわらず、私は外科コースを選びました。なぜなら「がん」を治せる医師になりたいという強い希望があったからです。

がん治療への想いと人の縁が決め手

その頃華やかだった脳外科や心臓血管外科にはあまり魅力を感じませんでした。また内科は、こつこつとした勉強が苦手な私には向いていないような気がしましたし、その頃の日本ではいわゆる腫瘍内科は発達していませんでした。「がん」を扱う診療科は血液内科を除いてほとんど外科系だったのです。そして、外科の中でも最も日本人に多い「がん」を扱う消化器外科に将来進むこととして、筑波大学の外科コースに進みました。

加えると消化器外科と決めるに当たっては、筑波大学消化器外科に長野高校の12年上の先輩がいらっしゃって、いろいろと相談に乗ってくれたこと。当時の消化器外科の教授が、やはり長野県出身だったことも大きな影響を与えたと思います。ふるさとが同じだと、考え方が似ているので、とても安心したのではないでしょうか。何をやりたいか。どういうテーマに興味があるかで、診療科を選択するのが、一番いいと思います。

≫次回に続きます≪


 

野末睦(のずえ・むつみ)

医学生・研修医はどのように診療科・研修病院を選ぶべきか―医師への選択、医師の選択(野末睦)筑波大学医学専門学群卒。外科、創傷ケア、総合診療などの分野で臨床医として活動。約12年間にわたって庄内余目病院院長を務め、2014年10月からあい太田クリニック(群馬県太田市)院長。
著書に『外反母趾や胼胝、水虫を軽く見てはいませんか!』(オフィス蔵)『こんなふうに臨床研修病院を選んでみよう!楽しく、豊かな、キャリアを見据えて』(Kindle版)『院長のファーストステップ』(同)など。

 

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