病院事務職員の転職活動記(9):公立病院の企画室との面接

この記事は約3分44秒で読めます

これまでは企業立の医療法人とコンサル会社、という二つの転職活動を取り上げましたが、今回はもうちょっと病院寄りの転職活動記になります。

これまでの転職活動についてはこちら
(7)企業立の医療法人との面談
(8)クリニック経営支援のコンサル会社との面接

レアな業務内容に期待・関心が高まる

今回面接した会社の概要は以下の通りです。

  • 急性期医療を中心に展開する、800床規模の地域の中核病院(公立病院)
  • 企画室のポジションは、「病院の企画室」ではなく、「病院が企画業務を委託する会社」
  • 業務はDPCデータの分析や経営改善案を幹部に提示する経営企画室

特徴的だったのは、「病院が企画業務を委託する会社」という事業形態でした。
公立病院の経営に民間の力を入れるための方法として考えられた、PFI事業と呼ばれる形態であり、このような今後の病院経営のあり方を体験できるのも、自分のキャリアとしては面白いものになると求人を見た時に感じました。

それに加えて、「公立病院の病院経営に関われる」ことにも興味を持ちました。
公立病院の経営は基本的に都道府県庁の職員が握っていることがほとんどであり、その経営改善に病院内の立場から関われる機会はあまりないと転職活動を通じて感じていました。

公立病院には高い社会性と公共性があり、経営改善を最も必要とするフィールドというのは前から思っていました。赤字の公立病院が多い中で、経営部門のスタッフとして働き、そのノウハウを身につけられる経験は貴重であり、社会的な意義も大いにあるのでは、と思い、この求人に応募をしてみることにしました。

面接で問われたのは、俯瞰的な視点からどう病院運営に関わるか

これまでの二社とは異なり、ベースが「総合病院の事務職」の仕事にかなり近かったため、お互いのズレもなく極めて順調に面接が進みました。

自分が積んできた「医事の経験」「医療者を巻き込んだ業務改善の経験」に立脚しながら話ができて、それを相手に受け入れていただけたのは大いに自信になりましたし、病院事務としてのキャリアを評価していただけたことが嬉しかったです。

面接では、「企画室の業務であなたはどう働くか?」という観点から以下のようなことを聞かれました。

  • 病院における全体最適の改善をするために重要なことは?
  • 病院では、実際の考課者と業務上の相手が異なるが、そのことについてどう思うか?(例えば、放射線科の看護師長は看護部所属で看護部長が考課者だが、現場では放射線科の医師や技師と仕事をしている、など)
  • 言うことを聞いてくれない医師をどう動かすか?もどかしい思いをしたことはあるか?

それぞれのテーマで一つずつ別の記事が書けそうな大きな内容ですが、民間出身者が多い企業ということもあって、病院の現場から一歩引いた、大局的な観点からの質問が多い印象でした。

面接で得た手応えと不安

イメージとのギャップはあまりなく、面接を終えることができました。

  • 病院の経営幹部に近い立場で仕事の提案ができること
  • 公立病院の新しい運営形態を知ることができること
  • 「半官半民」的な要素がある会社であり、現在の病院業務とはまた異なる風土で仕事ができること
  • DPCデータを生かしたデータ分析など、企画業務に近しい仕事ができること

といった点については、確かに自分の想像通りの仕事内容であるという感覚がありました。

一方で、面接を通じて不安に思うところも出てきました。
それは、「病院が企画業務を委託する会社」というポジショニングの難しさでした。

病院経営に近い立場ではありますが、「病院職員」という立ち位置ではないため、医療者との風通しのよいコミュニケーションがどの程度実現するのか、疑問を感じていました。
私は、病院の経営改善には病院職員自らのコミットメントが必要であると思って仕事をしているのですが、そこに外部の会社の立場から実業務にどこまで入り込んでいけるのかはわからないままでした。もちろん、最終的には本人のモチベーション、コミュニケーション能力次第ではありますが。

また公立病院の医事業務は、都道府県庁から出向してくる職員が3~5年のローテーションで担当していると聞いていました。その方々と長期的視野を持ち、二人三脚で経営改善は果たしてできるのだろうか?という点も疑問に持つようになりました。
全体的に、実務への落とし込み、業務改善のPDCAでいうD(実行)やA(改善)のところが薄くなっていくのではないか?という懸念については、払拭できないままに終わっていました。

内定と同じタイミングで、まさかの展開に

面接の結果は……こちらの会社には、ありがたいことに内定をいただくことができました。
医事課の現場経験と、管理部門での院内全体を巻き込んだ改善活動の二点をどちらも高く評価してもらうことができ、ぜひ来てほしいというオファーをいただけました。

そして内定をもらったタイミングで改めて考えました。
自分はこのタイミングで、この会社に転職すべきなのだろうか…。
上で書いたような疑問点は働いてみないと分からないままなので、悩みました。

と、そんなことを考えていたタイミングで、なんと人事から異動の内示をしたいという旨の連絡が入りました。その内容は……?

(※本記事は、「病院で働く事務職のブログ」2019年3月23日掲載の記事を一部編集の上、転載したものです)

【プロフィール】
病院事務職歴7年。新卒で500床規模の急性期病院の事務職員として入職後、医事課入院部門、経営企画部門、医療の品質改善部門に所属。診療報酬請求や各種窓口対応などの医事業務から、看護業務改善や病院の機能評価受審の事務局担当といった院内プロジェクトまで様々な業務に従事。現在は再び医事課入院部門に所属し、医事業務全般に加え、医事課スタッフの採用・教育、監査対応や委員会の事務局業務にも携わっている。

【シリーズ一覧】
(1)転職活動を始めたきっかけ
(2)転職コンサルタントとの面談
(3)「デキる」医事課職員へのニーズの高さ(スタッフ編)
(4)「デキる」医事課スタッフへのニーズの高さ(管理職編)
(5)医事課以外の事務職員の転職市場は?
(6)転職活動を通じて考えた病院事務のキャリア
(7)企業立の医療法人との面談
(8)クリニック経営支援のコンサル会社との面接

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