現場の声を吸い上げるための工夫と努力
―組織運営において、意識していることはありますか。
荒井理事長
現場の声を吸い上げることを常に意識しています。私は今でも、単に院内を巡回するのではなく、1人の医師として救急や当直を含む臨床業務に出ています。問題を早期に発見して最善の経営計画を立案するためにも、迅速な意思決定をして的確な対応をするためにも、大いに有効であると自負しています。
当院は風通しが良く院内の雰囲気の良さには定評があり、この点はさらに強化していきたいですね。院内行事や部活動に一定額の補助金を支給しているのも、職員900人以上の大所帯でコメディカルも含めた各部門の職員同士が交流することに大きな意義を感じるからです。
責任ある業務を任せることで、「自分たちの手でこの病院をよくしていこう」と考える職員が増えることにも期待しています。「現場と経営陣が同じマインドを持っている」という状態が、組織運営上の一つの目標です。
医師がモチベーションを高めて働ける環境づくりを
荒井理事長
医師の勤務環境の面でいえば、今後は教育体制にさらに力を入れる予定です。臨床研修、サブスペシャリティを取るための国内留学などを通して、先生方には大いに勉強してもらいたいと考えています。
また、正当な評価を行うことでモチベーションを上げていきたいとも考えています。今年度は、医師全員を対象にした面談を3か月かけて実施し、日常業務の振り返りや本院リニューアルに向けた思いのたけも含めて、ヒアリングしました。こうした面談を今後も定期的に行った上で、一般職員と同様の評価シートを導入し、学会発表や診療の実績、患者さんや職員からの評価度による考課結果と連動した年俸を提供できるような仕組みを検討しています。
採用活動ではこうした当院の姿をよく説明した上で、これから目指す医療に不可欠な優秀な先生方に入職し、定着していただくことができたらと思っています。
● 理事長自身が臨床現場に出て、採用方針の構築に現場の声を反映させている
● 人事部長が窓口となり、問合せ内容を院内の関係者に対してスピーディに共有している
● 院内の交流促進や医師の待遇改善策を実施し、医師が定着する体制を整えている
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