医師が「業務」で病院を選ぶ時代は終わる?求められるのは「人」と「組織風土」

現在の医師採用は、医療機関側は「求める資格・スキルを持った医師」、医師側は「求める業務・待遇を提供する医療機関」を探す条件マッチングが主流です。しかし、地域医療構想により、医療機関の機能分化が進めば、医師採用における「スキル」「業務」のミスマッチは起こりにくくなるでしょう。代わりに重視されるようになる要素とは?今後、医療機関が最適な人材を確保するためのポイントを考えます。

医療機関の機能分化が進むと、医師採用でハードスキルのミスマッチは減る

現在地域医療構想の実現に向けて、医療機関の統廃合、機能分化が進み、各医療機関が地域の中で求められる役割は今後ますます明確化していきます。

これまで医師の転職活動は、医師が「求める業務」を提供する多くの医療機関の中から、より症例や患者層がマッチする医療機関を選んでいました。しかし、今後は地域の中でその業務が可能な施設数が限られてくるため、医師1人当たりの転職先の選択肢は減少していくと予想されます。

一方で医療機関にとっては医師を採用する際、「この業務が可能な医師」であることは最低限の条件になっていきます。医師採用において、“ハードスキル”でのミスマッチは起こりにくくなるということです。

それでは、今後の医師転職においては、何が重視されていくのでしょうか。

医師の転職希望理由の7割が「働き方」と「人間関係」

転職希望医師登録数最多(※)のエムスリーキャリアでは、登録医師に「転職を希望する理由」に関するアンケート調査を実施。調査結果によると、6割の医師が転職理由としてQOLの向上などをはじめとする「働き方」を、1割は「人間関係」を挙げています。

つまり、医師が転職先を探す上で知りたいのは、求人票では表現しにくい“ソフト面の情報”なのです。医療機関にとって今後の医師採用活動のカギとなるのは、働き方に影響する自院の「組織風土(ポリシー)」の客観的な評価・分析と、「人間関係」の可視化でしょう。

「組織風土(ポリシー)」は、例えば

  • 「個人の成長の機会」と「診療の効率」のどちらを重視するか
  • 「患者本位の治療」と「経営効率」のどちらを重視するか
  • 患者の受け入れは「必ず受ける」「状況により受けない」のどちらの方針が強いか

など自院の「ポリシー」を明らかにした上で、求職者の「働き方」の志向性とマッチングさせることが重要です。

また、「人間関係」については、

  • 業務面で成長を促してくれる人の存在
  • 業務以外のことで困ったときのサポート役の存在

などの情報を伝えることが重要になります。

※m3.com CAREERでの医師登録数(2020年2月時点)

医療機関の「人財獲得」をテーマにセッションを開催(「病院マーケティングサミットJAPAN2021」)

医療機関が生き残っていけるかどうかのカギを握るのは、言うまでもなく活躍してくれる人材の採用です。今後医師の採用市場は、“ミスマッチを防ぐ採用”から、“ベストマッチを追求する採用”に転換していきます。 

「病院マーケティングサミットJAPAN2021」では、
加速する医師転職市場は病院の生き残りを左右するのか?〜人財獲得の鍵は「スキル・条件」より「人・組織文化」〜
をテーマに、オンラインで講演とパネルディスカッションを開催します。

エムスリーキャリア社長の沼倉敏樹も登壇します。ぜひご視聴ください。

日時:2021年12月1日 (水)15:10〜16:30
利用:無料
視聴方法:
病院マーケティングサミットJAPANのYouTubeチャンネル
「病院進化論~夢を紡ぐ人to人のコミュニケーション」から視聴。
※申し込みは不要。
※会期終了後は、アーカイブ動画の公開も予定しています。

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