逆紹介時の診療情報提供料をめぐる不適切な算定―診療報酬請求最前線

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医療機関の連携で頻繁に用いられる診療情報提供書は、診療報酬算定上の算定要件やルールが事細かく定められている医学管理料です。

算定のポイント

診療報酬の点数配分も診療情報提供料(I)で250点と大きく、紹介率や逆紹介率にも関係することで、重要な管理料の1つに挙げられています。特に注視するポイントは、算定対象者の見極めと書面上の適切性です。

たとえば、算定数を上げることばかりに偏った運用を医事課が進めると、往々にして診療報酬に対して認識の薄い医師は、診療所への紹介の返事(返書)のすべてを診療情報提供書で記載し、医事課は無条件でこの管理料を算定するといったことになります。
また、一方で、正しい理解が得られていない場合、逆に診療情報提供料を算定できるにも関わらず、単なる返事として書面を作成し、算定していないこともあります。この場合、大きな損失に繋がりますので、しっかりと体制を整備し、診療側に周知する必要があります。

逆紹介での算定は要注意

それでは、まず、概要を押さえておきましょう。

診療情報提供料(I)の基本となる算定要件は「保険医療機関が、診療に基づき、別の保険医療機関での診療の必要を認め、これに対して、患者の同意を得て、診療状況を示す文書添えて患者の紹介を行った場合に、紹介先保険医療機関ごとに患者1人につき月1回に限り算定する」とあります。

ここで重要な点は、診療状況を示す文書と、紹介を行った事実です。厚生局が行う「適切な保険診療のための監査(指導)」によると「受診行動を伴わない紹介元医療機関への患者紹介の返事、診療内容の問い合わせ等」について、不適切な算定が指摘されています。つまり、患者紹介があった後の、治療方針を知らせる返事や治療後の報告書の送付によって診療情報提供料を算定することは認められません。巷では、これらを報告書とし、送付文書で急変時の対応を依頼(例えば「有事の際には診療をお願いします」)すれば、逆紹介とみなして算定要件に合致すると思われている医療機関もあるようです。

算定で注意すべき4パターン

また、画一的に医師事務作業補助者に記載させることも、注意が必要です。実際に診療情報提供書(控え)の記載内容を調べてみると、算定要件に合致していない(または疑われる)パターンとして、次の4つの項目が代表的に挙げられますので参考にしてください。

算定要件に合致していない(または疑われる)代表的なパターン

・他院への受診の指示が曖昧である
・受診する医療機関名の記載が無い
・単なる報告書である
・診療の情報提供である

一方、他院との連携を組んで、一連の診療が行われるような(病診連携/地域連携)は、明確な受診行動をとった診療情報提供が行われるため、算定漏れが無いように確認する体制が必要です。医師(または医師事務作業補助者)および送付時に窓口となる地域医療連携室、ならびに、医事算定者の三者がチェック機能を検討し、効率的に行っていくことが大切です。

【著者プロフィール】須貝和則(すがい・かずのり)
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター医事管理課長/診療情報管理室長、国際医療福祉大学院 診療情報管理学修士。1987年、財団法人癌研究会附属病院に入職後、大学病院や民間病院グループを経て現職。その間、診療情報管理士、診療情報管理士指導者などを取得。現在、日本診療情報管理士会副会長、日本診療情報管理学会理事、医師事務作業補助者コース小委員会 委員長などを務める。

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