地域医療構想で病院はどう変わるか―今知っておかなければならない地域医療構想のこと(後編)

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地域医療構想によって、医療圏や個別の医療機関はどのように変わるのでしょうか。前回に続き、医療機関にとって影響が大きいと思われるポイントを解説します。

 

【ポイント1】データに基づいた病院経営が求められるように

地域医療構想で重要なポイントは、これまでの2次医療圏の範囲が再設定されることです=図2参照=。

二次医療圏

図2

dc7ca2120ecde335cdddc1d3240406d0_s今後2次医療圏は、人口規模や患者の受療行動、疾病構造の変化、基幹病院までのアクセスなどを踏まえた“日常医療圏”に合わせて再設定されることとなります。このときカギになるのが、数々のデータです。レセプトやDPCといった患者の受療行動や医療需要に関するデータ、病床機能報告制度による医療機関からの医療供給に関するデータなどを根拠として、医療機能ごとの病床数や連携体制が話し合われることとなります。

根拠が実際のデータに基づいているとすれば、医療機関としては地域医療構想に従わざるを得ないでしょう。

 【ポイント2】医療機能に沿った経営が求められるように

医療機関同士のバランスの取れた医療機能の分化、連携の推進も、地域医療構想の大きな目的です(参考:病床機能報告制度で何が変わるのか)。医療機関は当然、どの医療機能を担うのか意識して経営をしていかなければならなくなっています。

1af7d519f24fb5bd3036a78bc1763086_s地域医療構想では、高度急性期、急性期、回復期、慢性期という4つの医療機能の将来ニーズを予測し、それをもとに地域の医療提供体制の再編を進めます。

ちなみに、各医療機能の将来ニーズは、医療資源の投入量の推移から見定める方針が固まっています。厚生労働省では、1人あたりの1日の点数(入院基本料などを差し引いたもの)が3000点以上なら高度急性期、600点以上なら急性期、225点以上なら回復期としています=図3参照=。

なお、慢性期で療養病床の医療区分1の入院患者は、70%が在宅医療へ移行することが前提とされています。これにより療養病棟入院基本料2では、病棟の稼働率が確実にあがりづらくなるでしょう。

 

図3

図3

 医療機関は、地域医療構想調整会議で地域の動向に注目

行政は、病床機能報告制度などによって得られたデータをもとに詳細に地域を把握するようになり、地域医慮構想を通じて医療機関の経営に影響を与えていくこととなります。

今後、医療機関の代表は、地域医療構想調整会議に積極的に参加して、地域の動向に目を光らせる必要があるでしょう。

木村憲洋(きむら・のりひろ)
武蔵工業大学工学部機械工学科卒。国立医療・病院管理研究所病院管理専攻科・研究科修了。神尾記念病院などを経て、高崎健康福祉大学健康福祉学部医療福祉情報学科准教授。
著書に『病院のしくみ』(日本実業出版社)、『医療費のしくみ』(同)など。

 

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