クリニックでは、医師の採用に成功するかどうかが、経営に大きな影響を与えます。
急遽医師を採用する必要が出てきたり、複数施設での採用を同時に進めなければならなかったりと、クリニックならではの採用の悩みも多いのではないでしょうか。
そんなクリニックの医師採用担当者からのよくある質問に、採用支援コンサルタントがお答えします。
目次
Q. 求人を出しているのに医師からの応募がない……
回答者:エムスリーキャリア 採用支援コンサルタント
A. 「紹介会社や求人サイトに求人を預けているのに、反応がない……」というお悩みはよく耳にします。実際に、クリニックで出した医師の求人が1年以内に決まる確率はわずか1割に満たないという調査結果もあります(弊社調べ)。
クリニックは医師数に余裕を持たせにくく、1人が辞めたら急募するケースが珍しくありません。このような医師採用では、早急に課題を見つけ、対策をとることが極めて重要です。
応募がない4つの原因
紹介会社・求人サイトでの反応がない場合、大体次の4つの課題が考えられるでしょう。
- 求人票の情報が少ない/魅力がない
- 競合よりも条件が良くない
- 医師・紹介会社への露出が少ない
- その他
特に、1と2のケースが多いようです。課題別にご説明します。
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1.求人票の情報が少ない
1つ目は、求人の情報量が乏しくて実情をイメージできないため、医師・紹介会社のコンサルタントの目に留まらないケースです。
まずは以下の項目のうち、当てはまるものがあるかチェックしてみてください。1つでも当てはまる場合は、求人の内容を見直すことをお勧めします。
求人改善のチェックポイント
- 医師が転職時に気にする5つのポイント(アクセス/ワークライフバランス/キャリア/年収/法人のビジョン)が盛り込まれていない
- 想定年収の幅が広すぎる、もしくは下限・上限しか書かれていない
- 30代の医師のみ想定した内容など、ターゲットがかなり狭い業務内容がイメージしづらい(「外来をお願いします」のみなど)
たとえば、想定年収の幅が広すぎると、医師にとっては実際に自分が入職した時にどのくらいの年収になるのかイメージができません。年収の幅は最大150万円くらいに抑えるか、年代もしくは経験年数別にモデル年収を記載しておくと良いでしょう。
また、業務内容も実際にどういう患者さんがいて、一コマ当たり何名くらいの患者さん対応が発生するのかなど、医師が実際の働き方をイメージしやすいような情報提供が望まれます。
魅力的な求人の書き方について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
2.競合よりも条件が良くない
2つ目は、競合施設の方が条件面で勝っている場合です。
医師・コンサルタントは、紹介会社や求人サイトを利用する際、条件が良い・希望に沿っている求人を候補として検討します。問題は、検討する候補が決して多くないことです。自院の競合施設がより良い条件を提示していれば、候補に挙がることは難しいのです。
基本的な改善項目としては、以下のようなものが考えられます。
年収
やはり、年収は多くの求職医師が気になるポイントです。自院の近隣エリア内の平均程度はクリアしておきたいところです。加えて、お勧めしているのがインセンティブ制度の導入です。たとえば以下のように、医師の実績に応じて固定給+αの報奨を保証する方法です。
- 外来の対応患者数に応じて、診療報酬の〇%を給与に上乗せ
- 患者〇名をベースラインに、追加で対応が発生した場合は患者数に応じて一律の金額を給与に上乗せ
インセンティブ制度のメリットは、診療実績に基づいた支給のため、クリニック・医師ともに納得感がある点や、医師のモチベーション向上を見込める点などが挙げられます。
ただし、これはあくまでも集患が見込める場合、もしくは集患施策と併せて実施することが前提となります。インセンティブ制度を導入し採用できても、患者数が少なく医師が想定していた年収が得られなければ、早期離職につながる可能性もあるので注意が必要です。
勤務時間
病院と比較した際に、ネックになりがちなのが勤務時間です。クリニックはお昼の休診時間が長い分、退勤時間が遅かったり、休日・夜間診療を実施していたりと、医師の拘束時間が長くなりやすいためです。
在宅クリニックや有床診療所では夜間オンコールなども発生するため、より負担に感じやすいでしょう。シフト制や非常勤医師の活用、夜間の1次対応を外部委託するなど、なるべく医師の負担を減らす工夫が求められます。
3.医師・紹介会社への露出が少ない
利用している採用チャネルが少ない場合、そもそも医師・紹介会社に求人を露出できていない、あるいはより認知を広げるための広報が足りていない可能性があります。この場合は効果的な採用チャネルの見極めと、露出機会を増やすための広報活動が求められます。詳細はこちらの記事をお読みください。
4.その他
稀に、条件面が良いにも関わらずずっと求人が出ているため「何か問題があるのでは」と敬遠されてしまうケースもあります。この場合、「増患が見込めるための追加募集」「所属医師の開業/定年に伴う募集」など募集の背景を明示することで安心感につながるでしょう。
また、エリア内で良くない風評が広がってしまっているケースでも、風評をなるべく払拭できるような情報を求人に盛り込むことをお勧めします。
もし求人や条件の見直しにお困りでしたら、エリア内のデータに基づいて、アドバイスをさせていただくことも可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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医師採用のスピードを上げるためには、転職意欲の高い先生にアプローチしていくことが大切です。
スピード採用成功の3つのステップ
- エリア内の候補者数や希望年収など、最新の採用データをチェック
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