【元医事課リーダーのよもやま話】マルチプレイヤーがもたらす「休みやすい職場」

もうすぐ大型連休の季節ですね。ゴールデンウィークはレセプト期間と重なるため、この期間をどう乗り越えるか、医事課の皆さんは毎年考えを巡らせるのではないでしょうか。

ゴールデンウィーク中のレセプト業務は、大きく分けて2つの勤務形態で対処するかと思います。
ひとつは連休前後に業務を集中させて、極力カレンダー通りに休むパターン、もうひとつは祝日も出勤して一気に片付けるパターン。どちらの方針でいくか、そして、どのように休みを取るかは、医事部門レベルで決められる医療機関も多いでしょう。つまり、医事課責任者の工夫が活きるテーマだといえます。

それではどのような工夫ができるでしょうか。ゴールデンウィークを含め、休みをとりやすい職場にするためには2つのキーワードがあります。そのキーワードとは――。

1つ目は「効率化」

以前のコラムでも紹介したように、レセプト業務では、レセプトコンピューター(レセコン)やチェッカーにミスをしやすい項目をエラー登録しておくことが最初の一歩。登録作業に時間がかかったとしても、チェック作業がスピーディーに済み、最終的には時短につながる侮れない工程です。特に査定・返戻傾向が強い項目を設定しておけば、査定・返戻率の改善にもつながります。

2つ目は「ワークシェア」

医事課は受付担当と会計・保険請求(レセプト)担当に分業したり、大病院であれば診療科ごとに専属化したりしがちです。しかしあえて、その枠組みを超えたマルチプレイヤーを増やすのがポイントです。

たとえば、レセプトの病名チェックは、空き時間で調べながら取り組めるので未経験でも挑戦しやすい部分。この仕事を通して、その方の業務幅が広がるだけでなく、レセプト担当の負担が軽減し、念入りに確認すべき部分に集中して取り組めるようになります。また、各診療科のメイン担当・サブ担当が設けられれば、どちらかが不在でもレセプト点検を進めることができます。

つまり、マルチプレイヤーがいればいるほど、お互いの空き時間を活用でき、シフト組みも制限が少なくなるのです。

とはいえ、部下からは「今やっていることで精一杯」と反対の声があがることもしばしば…。

やる気を引き出すインセンティブとしては、取り組み姿勢を給与などに反映するのが一つの手です。
また、わたしは部下のやる気を引き出すために、些細ながんばりを褒めたり、こちらから「これもやってみない?」「できなければ手伝うから」と声をかけたりして、一人ひとりのできること・やりたいことを応援していました。

こうしたマルチプレイヤー育成を意識すると、各担当がお互いに助け合う環境になり、結果的に休みやすい職場につながるはずです。

それだけでなく、職員のキャリアが広がる可能性も含んでいます。実際にやってみて「難しかった」と言われるケースもありますが、案外、積極的に質問してくれる方や「レセプト業務をもっとやってみたい」と言ってくれる方も出てくるもの。職員には、未経験というだけで「自分にはできない」と思い込んでしまっている方もいますので、こうした方に「やりたい」と思うきっかけをつくるのが、リーダーの役目の一つかもしれません。

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