「働き方改革」の機運が高まっています。小売業界では営業時間を短縮したり、運送業界には国土交通大臣が長時間労働の是正を求めたり。残業時間を原則、月45時間までに規制して違反には罰則を課すことなども、政府で検討されています。
医療分野はどうでしょうか。いくつかの業界団体が「医師は例外に」と訴える動きもあるように、世間ほど積極的ではないように感じます。人命を扱うため、他業界ほどスピーディーに対応するのは難しいかもしれません。
ただ、医事課に限れば、働き方改革は十分に可能だと感じています。
私がある一般病院で勤務し始めたとき、残業時間を月50―60時間から20―30時間に半減させることができました。
実際にやったことはシンプルでした。医事課の「働き方改革」における最大のネックはレセプトの処理。これを効率化させるために、手の空きやすい午後はレセプト期間でなくても、レセプトをとにかく見返すことにしたのです。
ほかにも、これまで医事課の担当者が手作業で行っていたエラーチェックの中に数が多くて単純なものがあることに着目。これらを中心に、レセコンのエラーチェック項目へ組み込んでチェックを自動化していきました。
そうすると、数か月でみるみる残業時間が短縮。残業が減ったことで、職員の満足度が上がるだけでなく、仕事のパフォーマンスも上がるため、病院全体にとってプラスになりました。
医療分野は慎重さが求められるせいか、保守的な考え方になる傾向にあると感じます。現場でも前例を踏襲しがちです。だからこそ、変化を求めていく必要があるのではないでしょうか。
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