高スキルVS協調性抜群 どちらの医師を採用する?―究極の選択アンケートvol.1

AとBの医師、どちらかを採用しなければならないとしたら、どちらを選びますか――?この「究極の選択アンケート」に答えたのは、m3.com会員の医師1605人。今回は、専門職である医師にとって重要な「スキル」と、ホワイトカラーの採用活動で重視されやすい「コミュニケーション力」がテーマです。「スキルは抜群だが、コミュニケーション力が乏しい医師」と「コミュニケーション力は抜群だが、スキルは乏しい医師」を比較したとき、どちらが選ばれる医師なのでしょうか。

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目次

コミュニケーション重視派が多数…スキルを重視する診療科、年代は?

m3.com会員医師へのアンケートの結果、医師を採用する場合にスキルよりもコミュニケーションを重視する人が55.4%となり、スキル重視派を10.8ポイント上回りました。

年代別では60代以上のみがスキル重視派が50.5%となり、コミュニケーション重視派をわずかに上回ります。最もコミュニケーションを重視する年代は20代で、66.4%がコミュニケーションを選択。医師になりたてで周囲から教わることが多いため、コミュニケーションがとりやすい先輩や同僚と働きたいと思うのかもしれません。

※数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります

また、スキル重視派が最も多かった診療科は耳鼻咽喉科(64.5%)で、「耳鼻咽喉科は比較的単独で出来る手技が多いから」という回答がありました。糖尿病(スキル重視派55.3%)、麻酔科(同54.5%)、産婦人科(同51.2%)、整形外科(同50.6%)もスキル重視派が過半数を占めます。

一方で、コミュニケーションを選ぶ割合が最も多かったのは腎臓科の64.9%。「患者との信頼関係が重要」「チーム医療をするにはコミュニケーション力が大事」などを理由に挙げています。また、外科(コミュニケーション重視派60.3%)、消化器外科(同59.4%)、循環器外科(同58.8%)といった外科系もコミュニケーションを重視しており、「チーム医療が成り立たないから。スキルは経験で補える」(外科)という声も挙がりました。

職位別にみてみると、職位が高くなるにつれて、コミュニケーションをより重視する傾向が見られます。理事クラスは62.5%がコミュニケーション力を選んでいます。実際に採用の可否を判断する立場にある医師は、コミュニケーション力を見ていると言えそうです。

一方で、医員、医長など現場に近い立場の医師ほど、スキルが重要だと考える人の割合が増え、医長クラスは、コミュニケーション重視派とスキル重視派がほぼ半々となっています。

※数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります

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コミュ力派「医業はサービス業」「クレーム防止」

医師の採用時に評価する機会の多い理事・院長・部長クラスが、「コミュニケーション力」「スキル」をそれぞれ選んだ理由を紹介します。

※一部編集しているものもあります

コミュニケーション重視派

コミュニケーション力を選んだ医師からは、「コミュニケーション力があると患者や同僚との信頼関係の構築や、トラブル・医療事故の防止につながる」との声が寄せられています。

患者のため、集患のため

  • 患者との信頼関係構築にはコミュニケーション能力が重要なため
  • 医業はサービス業と考えている
  • コミュニケーションができないと患者が離れていく。スキルは後からつけられる
  • コミュニケーション力に乏しい医師は、集患の妨げになり、結果的にスキルを活かす場面も減るため

協力体制が築きやすい

  • クリニックでは少人数でのコミュニティであり、個人のスキルよりコミュニュケーション能力が求められる
  • クリニックの医療は患者や非医療職とのコミュニケーションなしに進みません
  • コミュニケーションが取れないと協力体制がとれない
  • コミュニケーションが取れなければチーム医療ができない

また、「コミュニケーション力は職場で育むのは難しい」「コミュニケーション能力が高ければスキルは習得できる」との声もありました。

コミュニケーションよりもスキルの方が伸ばしやすい

  • コミュニケーション能力が高ければスキルは習得できるから
  • コミュニケーションがとれないとスキルも発揮できないからです
  • スキルは改善出来るが、コミュニケーション力は医師になってからでは改善余地は少ない
  • スキルを職場で育てる事は可能だが、コミュニケーション力をはぐくむのは職場では難しい
  • 若い先生はスキルが足らないのは当たり前ですが、それを補い、伸びる要素はその先生の人格にあると思います

診療科や業務、地域の特性などから、コミュニケーション力を選んだ医師もいました。

診療科や業務、地域の特性

  • コミュニケーション能力が無いと精神科としては致命的。スキルは教えれば良い
  • コミュニケーション能力が無いと精神科としては致命的。スキルは教えれば良い
  • 精神科は、コメディカルとの協調性が欠かせません、それを理解してない医師が多く、トラブルの後始末がいつも大変です
  • 精神科はコミュニケーションが大切。スキルは他の医師でカバーできる
  • 麻酔科はコミュニケーションが重要
  • 外科はチーム医療だから
  • 相手が小児だけにコミュニケーションが取れないと仕事にならない
  • これは私の医療機関の特徴ですが、慢性期がほとんどのため真面目で患者受けがよければ高いスキルは要りません。急性期ならスキルの高い方を選びます
  • 慢性期病院のため、職員はもちろんのこと患者家族や多職種とのチーム医療の性格が強い事、また高齢患者や認知症患者も多い事から終末期医療に理解があればコミュニケーション能力を優先する
  • 療養型でコミュニケーションは重要。スキルは各専門医師で補っている
  • 外来ではコミュニケーションが大切
  • 超高齢者にはスキルより人望
  • 田舎では、人柄が一番
  • 現在の職場はスキルがそれほど必要ない
  • 訪問診療の場面では、コミュニケーションでのトラブルの方が対応、解決に手間がかかる
  • クリニックは客商売だから
  • クリニックレベルでは患者とのコミュニケーションが大切。手術等は自院で行わないため

スキル派「誤診・医療事故防止」「コミュ力は周囲がカバー」

スキル重視派からは「スキルがなければ医療の質が担保されない」という声が目立ちます。

スキル重視派

医療の質を担保するため

  • あくまでも基本は医師としての技量が重要と思います
  • コミュニケーションだけでは医療は行えない
  • スキルがなければ医療の質が担保されないから
  • 大変難しい選択ではあるが、当院は専門分野の診療なのでスキルは絶対条件のため
  • 患者にとってみればうまく治療してくれる方がよいに決まっているから
  • まずは患者様にとって問題とならないような診察能力が必須

また、「スキルが乏しいと医療事故誤診につながる」など、トラブル防止を理由とした回答も複数ありました。

コミュニケーションは周囲がカバーできる

  • コミュニケーションは 院長がする
  • コミュニケーションはこちらが頑張ればなんとかなるが、本人のスキルはこちらからはどうしようもない
  • コミュニケーションはコメディカルのサポートで補える

医療事故や誤診の防止

  • スキルが乏しいと医療事故につながるから
  • 医師にとってスキルがないと誤診につながるため

コミュニケーション力重視派、スキル重視派と意見は異なりますが、どちらも患者のためになる医療、安全な医療の提供を考えての選択のようです。

【調査概要】
期間:2020/12/3~12/4
対象医師:m3.com登録医師1605人

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