【第21回】事務長の「右腕」「片腕」は誰ですか?―事務長の悩みは99%解決できる

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野々下みどり(ののした・みどり)

株式会社LHEメディカルコンサルティング代表取締役。熊本大学法学部を卒業後、約20年間にわたり医療法人社団シマダ 嶋田病院に勤続。その間、医事課長、診療情報管理課長、情報システム課長、診療支援部長、企画広報部長を歴任。2018年、医療福祉の経営コンサルタントとして起業し、現職。医療経営・管理学修士(九州大学大学院医学系学府)、診療情報管理士指導者の資格を持つほか、日本診療情報管理士会評議員などを務める。

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124年ぶり……2月2日の節分

皆さん、今年は恵方巻を食べましたか。今年の「立春」は例年より1日早い2月3日で、節分の日が明治30年以来、124年ぶりに2月2日になりました。私はその日、初午の日ということもあり、ある稲荷神社にお参りに……。まだまだ、ままならない状態が続く日々ですがお礼を伝えてきました。「生かしてもらって、ありがとうございます」と。

右腕となる人、片腕となる人はいますか?

突然ですが、事務長には右腕となる人はいますか。
それは、どんな方ですか。

では、事務長には片腕となる人はいますか。
それはどんな方でしょう。

一般的に「彼は私の右腕だ」などと使うときは、“信頼できる部下”“自分の思い通りに動いてくれる部下”というような意味合いを持ちます。一方で「事務長の片腕」と使う場合は、 “信頼できるパートナー”という意味合いになります。同じ「腕」でも微妙に意味合いが変わるのが面白いですね。

私は医療・福祉どちらの仕事もさせていただいています。最近、ある福祉施設の立ち上げ、運用のスタートに携わったのですが、その中で経験した幸せな出来事がこの「腕」に関することでした。

他者に「頼れた、任せられた」現場で得た幸福感

私が前職の病院を退職してからもうすぐ3年が経とうとしていますが、当時の失敗・失態からの経験、素晴らしい方々との出会いによって、経営者・従業員・顧客を上下なく、同列としてとらえるようになってきました。三者をそれぞれに敬い、感謝するように心がけています。そして、自分ができないことを認め、他者に頼る、委ねる、任せる――。そういうことを少しずつ習得してきました。

そんな中での、福祉施設の新規事業立ち上げ。スタートアップスタッフの採用をはじめとしたさまざまな準備を進め、今年の1月に開設許可が出て、運営が始まりました。私は1月から施設の現場に関与することとなり、期待感の一方で不安も感じる日々でした。

思えばまだ「自分がなんとかしなければ。私には責任がある!」と気負っていた面もあったのでしょう。しかしいざ現場での仕事が始まってからは、そんな私が拍子抜けするくらいに、他者に「頼れる、任せられる」という安心感と、ふわふわとした快感で満たされています。

できないことはお願いする、頼る。チームとしての仕事の質・結果にこだわれば、それは自分の弱さや不甲斐なさではないのです。

また、チームで理念・在り方を共有していれば、これまでの自分の枠にとらわれない新しいやり方やアイデアが出てくるということを実感しました。実際に、その現場でも様々な視点から新たなサービスが生まれています。同じ目線で信頼し合い、仕事をお任せできる方々に囲まれながら、不思議な、そして幸せな気持ちに包まれています。

あなたに「ダメ出し」してくれる人はいますか?

先日、ある経営者が自身を「こうと決めたり、いいなと思ったりしたら、すぐに実行するタイプ」とおっしゃっていました。そんな自分に必要なのは、「ダメだと意見してくれる人」だというのです。

いわゆる「イエスマン」が周りに多ければ、経営者は気分良く、物事をスムーズに進められるかもしれません。でも、経営者には意見や注意してくれたり「ダメ出し」をしてくれたりするパートナーの存在こそ、とても重要だと話していました。

経営層である事務長にとっても、周囲に「こう考えているんだけど、あなたはどう思う?」と相談したときに、ダメ出しをしてくれる人はなかなか得難い存在です。事務長という立場だけでなく、事務長自身が日ごろから「ダメ出しをしにくい」雰囲気を作っているかもしれません。

ダメ出しや注意を受けることは、落ち込みますし、いい気持ちにはなりません。私も、決して好きではありません。私自身、周りが意見しにくいタイプだと自覚していますし、友人が数多くいる方でもない。しかしだからこそ、さまざまな機会で自分にダメ出しをしてくれる人の存在に感謝しています。それは必ずしも同じ職場にいる人でなくてもいいのです。

時が経っても思い出す…ダメ出しの言葉たち

「後ろを見てみろ。お前の後ろには誰がいる。お前がやりたい、と言った時に心から応援して味方になってくれる人は何人いるのか。その人を増やせ」。

まだ20代後半から30代前半だったでしょうか。周りが見えずに仕事をしていた時に、言われた言葉です。その時は「媚びたくない」と反発を感じましたが、周りの人を大事にしないと仕事できないよ、というアドバイスなんだなと自分にブレーキがかかったことを思い出します。

「みどり、ダメよ。自分はしてないくせに人に言うのは」。

それは、大学時代の頃です。自分は談笑しながら、後輩に指示をしていた時に、友人から注意を受けました。今も、中身のない人間になっていないか、信用されないような行動をしている人間になっていないかと思い出し、我が身を振り返るようにしています。

「あなたの性格上、自分が尊敬できる人の中に身を置くべき。高みを目指しなさい」。

ステージや立場を変えようとするとき、決心してからも迷うことが私にもあります。そんなときは、以前ある人にかけられたこの言葉が、いつも背中を押してくれます。

かつてダメ出しされた言葉は、時間が経ってもよく思い出します。

もちろん時には、褒めてくれる人の存在も大事です。認めてくれる人がいるから、嬉しくなりがんばれます。ただイエスマンや褒めてくれる人ばかりに取り巻かれていて、事務長の日々の悩みの解決や、勇気がいる決断・判断ができるでしょうか。

私は今、頼れる「腕」と注意してくれる「腕」に支えられています。

事務長には今、どんな「腕」がいますか。どんな「腕」が必要ですか。こんな時代だからこそ、「腕」に頼ってみませんか。

≪≪【第20回】こんな時代だからこそ、病院の進む方向を事務長が指し示す―事務長の悩みは99%解決できる

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