新型コロナ、医師採用への影響は?採用活動の進め方をコンサルタントが解説

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、「医師の採用活動をどのように進めればいいのか」と悩んでいる医療機関の採用担当者は多いのではないでしょうか。 今回、医療機関の採用担当者322人と医師1322人が回答したアンケート調査から、新型コロナウイルス感染症が流行してからの転職市場トレンドを分析しました。さらに、医師採用コンサルタントには、直近の医師採用市場の動向と、これからの採用活動を少しでも軌道に乗せるための方法を聞きました。

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コロナ以降も採用予定人数に「変化なし」9割

新型コロナウイルス感染症が医療機関の運営や採用活動にどのような影響を与えているのか、エムスリーキャリアは2020年4月15日、採用担当者を対象にアンケート調査を実施しました。

アンケートでは、新型コロナウイルス感染症の流行を受けた、医療の提供体制の変更について質問。少なくとも、何らかの方法で提供体制を変更したのは172人、全体の53.4%でした。 内訳を見ると、外来の停止・削減が17.4%、入院受け入れの停止・削減が9.3%、手術の停止・削減・延期が14.6%、それ以外の提供体制の変更が23.0%です。外来・入院・手術のいずれかを「これから停止・削減・延期する計画がある」という回答も11.2%あり、医療機関の運営への影響は今後も拡大するとみられます。

常勤医師の採用予定人数については、採用活動をしている担当者のうち、87.8%が「変わらない」と回答。「増加した」も6.6%ありました。一方で、減少したのは5.7%にとどまりました。

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また、医師から常勤求人への応募数は、採用担当者の81.1%が変化なし。そして12.0%で減少しましたが、増加も6.9%ありました。新型コロナウイルス感染症流行下でも、常勤医師の転職意欲に大きな影響はないことがわかります。

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医師に新型コロナウイルス感染症による転職意向への影響を尋ねたアンケート(※)では、常勤に転職する意欲がある595人の医師のうち、67.2%は転職時期が「変わらない」または「早めようと考えている」と答えました。その反面、32.8%はネガティブな影響を受けており、26.1%が転職時期の延期、6.7%が中止を考えていることもわかりました。

※2020年4月20日、医師を対象にエムスリーキャリアが実施したアンケート

まとめると、新型コロナウイルス感染症が流行しても、4月中旬時点では医療機関の常勤採用意向にそれほど影響を与えていないと見えます。医師の転職意向も大半は影響がないものの、一部にはマイナス影響が及んでおり、常勤採用に支障が出るケースも想定されます。

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面接のウェブ・電話対応が拡大中

新型コロナウイルス感染症流行している現在、医療機関は医師の採用をどのように進めていけばいいのでしょうか。医師採用コンサルタントに聞きました。

――ウイルス感染防止のため、候補者と直接会って採用面接することは難しくなっていると思いますが、医療機関はどのように採用活動を進めればいいのでしょうか。

医療機関の採用担当者に実施したアンケートによると、新たな採用手法を導入していないという回答が88.2%に上り、導入したのはウェブ面接(オンライン面接)7.5%、電話面接4.3%と1割を切っています。

しかし、今後の導入を検討しているのは、ウェブ面接が32.9%、電話面接が10.9%と大幅に増えます。特にウェブ面接は、導入済みと合わせると4割超。ウェブカメラを使うと、お互いの表情が見えますし、医師・採用担当者双方から「意外と簡単に使えた」という声もよく聞きます。今後の採用シーンに大きな変化が生まれるかもしれません。

現在のように、部外者の訪問が難しい時期には、せっかく求人に応募してくれた候補者の顔や表情を見て話せる、唯一の方法になると思います。また、新型コロナウイルス収束後も、遠方の先生やお仕事で多忙な先生、育児中の先生などの採用で活かされるでしょう。

今後ますます、医師の採用活動にオンラインの手法を取り入れる医療機関が増加していくことが推察されます。

とはいえ、オンラインのみで常勤医の内定を出すことに抵抗感がある医療機関は少なくないと思います。そんな中で今増えているのは、本格的な採用面接の前に、条件確認やカジュアルな面談の場としてウェブ会議システムを活用することです。

電話と比べると、カメラ越しに候補者と話ができるためコミュニケーションが取りやすく、人柄や考え方を把握しやすいメリットがあります。早い段階で医療機関・候補者のお互いが気になる点を確認でき、本格的な面接に進む際の採用の確度を高めることができます。また、直接会うことに比べると医師の移動時間が必要ありませんので、日程調整もスピーディーです。

私も何度かウェブ面談に同席させていただいて、先生方の感想も伺っていますか、採用担当者の熱意や医療機関の魅力は十分に伝わっていると感じます。面談してみて好感触の医師であれば、医師に「状況が落ち着いたら当院に来ていただき、最終的に入職されるかを決めていただきたい」とお伝えすることで、医師も安心して選考を待つことができます。この時点で、ウェブ面談をしていない他院から一歩リードできるわけです。

また、医師が移動する必要がありませんので、時間調整をしやすく、交通費がかからないこともメリットです。

もちろん機械操作に慣れてない先生もいらっしゃいますし、システムトラブルも多少はあり、万能のツールとは言えないでしょう。しかし、要はどう使うかです。一概にオンラインを否定してしまうと、転職意欲の高い先生方との接点を失うリスクを生みかねません。

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アフターコロナでも、医師採用のオンライン対応は必須に?

――医療機関がウェブ会議システムの導入しようとする際、課題になりやすいのはどんな点でしょうか。

先程のアンケートで、新たな採用手法の導入を検討している医療機関に、課題となりそうなことを尋ねました。すると、39.3%がコミュニケーション面での不安を、22.9%が当該医療機関にオンライン等の環境が整っていないことを挙げています。

実際、私も医療機関の採用担当者からお話を伺っていて、この2点は課題になりやすいと感じています。

まず、コミュニケーションについてですが、これまでウェブ会議システムを使ったことがないために、不安を感じていらっしゃる採用担当者やトップは多いです。この不安の解消法としては、実際に使ってみることに尽きます。もし紹介会社をご利用であれば、コンサルタントとの打ち合わせなどで実際に使ってみて、慣れていくことをお勧めします。何度か使ってみると勘所がつかめて、「意外と違和感なく使える」とおっしゃる方が多いです。

また、オンライン環境の整備についてですが、「PCにカメラが付いていないため、ウェブ面談はできない」という声をよくいただきます。しかし、「カメラがない」を理由に、多くの医師との接点を逃していくことは非常にもったいないです。今後、新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着いたとしても、医師の採用市場ではオンラインを活用した採用活動は確実に増えていきます。“アフターコロナ“での医師採用を見据えても、この機会にオンラインに対応できる環境を整備していくことは必須だと思います。

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