DPCⅡ群(特定病院群)が診療密度を注視すべき理由【DPC改定2018(1)】―診療報酬請求最前線

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診療報酬請求最前線

2018年2月19日、DPC対象病院に2018年度改定におけるDPC基礎係数と機能評価係数Ⅱに関する通知が届きました。新たな係数については、各病院でいろいろな分析が進んでいると思いますので、今回からはDPC制度改定について取り上げ、解説をしていきたいと思います。

Ⅰ~Ⅲ群の名称を変更し、特性を反映した医療機関群へ

DPC医療機関別係数の中で、最も配点が大きいのが「基礎係数」になります。今回の改定で病院群の設定は、Ⅰ~Ⅲ群といった序列が病院レベルをイメージする名称であるとして、Ⅰ群は「大学病院本院群」、Ⅱ群は「特定病院群」、そしてⅢ群は「標準病院群」に変わっています。筆者の印象では「アカデミック」「スペシャル」「ノーマル」という表現に置き換わってしまい、以前のⅠ~Ⅲ群同様に「松」「竹」「梅」のような印象を持ちます。というのも、筆者の勤める医療機関が、スペシャル(特定病院群)からノーマル(標準病院群)に落ちてしまったという衝撃的な通知が届いたので、かなり片寄った見方になっていることも否めません。

医療機関群 現在の基礎係数 改定後の基礎係数
大学病院群(旧Ⅰ群) 1.1354 1.1293
特定病院群(旧Ⅱ群) 1.0646 1.0648
標準病院群(旧Ⅲ群) 1.0296 1.0314

では、今回は「特定病院群」の基準値から見ていきましょう。基準値は4つの項目からなり、「実績要件1~4」という表現が用いられています。

診療報酬改定 実績要件

Ⅱ群(特定病院群)の診療密度に2つのデータ補正

【実績要件1】診療密度は「1日当たり包括範囲出来高平均点数(全病院患者構成で補正:外的要因、後発品補正)」というのが、具体的な指標になります。この内容は次のように解説されています。

●当該医療機関において症例数が一定以上の(1症例/月;極端な個別事例を除外するため)診断群分類に該当する患者について、当該医療機関が全DPC対象病院の平均的な患者構成と同様な患者群に対して診療を行ったと仮定した場合の1日当たり包括範囲出来高実績点数を算出する。

●当該医療機関における入院医療で用いられる医薬品のうち「各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報」(平成29年8月30日~平成29年9月30日)に掲載された「2:後発医薬品がある先発医薬品」に該当する医薬品に対して薬価基準収載医薬品コード9桁(成分、剤形によって分類された同一分類内の規格単位まで)が一致する「3:後発医薬品」の薬価最低値に置き換えた場合の1日当たりの包括範囲出来高実績点数を算出する。

この内容を見ると、2つの要素でデータが補正されていることがわかります。

前者は各病院の症例ごと(DPC分類ごと)の包括内出来高平均点数を全国の症例数(構成)に置き換えて平均点数を算出しているということ。つまり、症例数のばらつきを同等にして不公平が起きないように補正しています。さらに、ここには記載されていませんが、この点数の算出に当たっては、医療機関を相互に比較できるよう入院基本料を10対1一般病棟入院基本料に揃え、機能評価係数Ⅰ相当分を除いて集計されています。

続いて、2つ目の補正「後発医薬品の補正」を見てみましょう。こちらは、厚生労働省のホームページ(薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について)に掲載されている先発・後発医薬品の使用実績を見るものですが、今回の改定で、医療機関ごとの後発医薬品の使用実績にかかわらず「使用薬剤を最も安価な後発医薬品に置き換えて算出する」といった補正が行われています。

このあたりの情報は、個別改定項目に掲載されていますが、知識として押さえておきたい部分です。と申しますのも、この診療密度を落としている医療機関は意外と多いからです。筆者は、診療密度を上昇させるための対策として、まずは、正確な医事算定情報が登録されているかを確認しています。それだけでなく根本的には、在院日数の短縮や集患、診療行為の拡大といった、病院の入院医療体制に関わる中長期的な視点が必要になると考えます。

さて、続きは次号で解説していきます。

【著者プロフィール】須貝和則(すがい・かずのり)
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター医事管理課長/診療情報管理室長、国際医療福祉大学院 診療情報管理学修士。1987年、財団法人癌研究会附属病院に入職後、大学病院や民間病院グループを経て現職。その間、診療情報管理士、診療情報管理士指導者などを取得。現在、日本診療情報管理士会副会長、日本診療情報管理学会理事、医師事務作業補助者コース小委員会 委員長などを務める。

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