中途入職医師を受け入れる職場は必読!求められている支援は〇〇だった―医師283人アンケート

貴院では、中途入職してきた医師が新しい職場に馴染めるような支援をしていますか。入職後の支援は、離職防止や長期の定着につながります。医師アンケート(※)でわかった、医師たちが求める支援を見てみましょう。

※アンケートは、2020年7月25日~8月4日、m3.com会員の医師を対象に実施し、283人が回答。「『嫌だ』と思った、中途入職者の言動」をテーマにエムスリーキャリアが実施

※記事内で紹介する声は、一部編集しているものもあります。

支援1 「暗黙のルール」を早めに伝える

職場によって、ルールや文化、使っているシステムは異なるもの。早めにさりげなく教えてもらいたい、もしくはしっかりマニュアル化してほしいという声はとても多く寄せられました。

また、「気を付けるべきスタッフ」の情報も早めに知りたいという意見も。業務の範囲について職場と自分の間で認識のずれがないように、「自分に求めている役割を明示して」という人もいました。

暗黙のルールや慣例、文化

  • 「うちのやり方はこうだ」と言ってほしい
  • 職場の暗黙のルールがあれば教えてもらう
  • 慣例になっている事はさりげなく教えてもらえると助かる
  • 早い段階で職場のローカルルールを教えてもらうこと
  • 変革をwelcomeと思っているのか、それとも中途入職者が全面的に歩み寄るべきだと思っているのか、教えてほしい
  • 決まり事がどうしてそうなったかを詳しく説明してもらう

独自のシステム

  • カルテシステムなどの基本的な物を分かりやすく説明してほしい
  • 休暇申請・学会参加申請、早退の申請など、一時的に戦線離脱するときのお作法は早めに教えてほしい
  • ハウスルールについて、マニュアル化してほしい

気を付けるべきスタッフ

  • 気をつけるべき医師やコメディカルの情報を教えてほしい。突然地雷を踏むことがあるので

自分に期待する役割

  • 求めている最低限の役割を明示する

支援2 入職後しばらくは“助走期間”を設定する

入職後しばらくは、指導役を付ける、ルールや慣習を覚える期間とするなど、“助走期間”を設けてほしいという声もありました。

助走期間の設定

  • 最初の1週間くらいは上司か同僚、あるいはその職場に慣れた人とペアで行動させて
  • 最初の2週間だけでもすでに入院している患者は受け持ちとせず、病院のしきたりやローカルルールの把握を優先させると、以後の業務が円滑に行える
  • 半年ほどはルールを覚える期間と思っていただきたい
  • 各科への挨拶回りに同行してほしい
  • 仕事を早く覚えられるように、システムや手順を最初の頃は丁寧に教えてほしい。指導役を付けてほしい
  • 仕事は徐々に増やして

支援3 積極的にコミュニケーションの機会をつくる

まずは挨拶と細やかな声掛けが基本。挨拶がない職場も多いのか、「挨拶を返してほしい」という意見は数件ありました。また、昨今は“飲みにケーション”を抑える職場が出てきているようですが、親睦を深める手段として「飲み会」を求める声も複数寄せられました。

積極的なコミュニケーション

  • まずは挨拶。上下左右の話し合い。積極的に会話する時間を生み出す
  • こまやかな声かけ
  • 上司がよく話しかけてくれる方が良い
  • 馴染めているか?と定期的に話しかけてほしい
  • コミュニケーションの機会を増やしてほしい

懇親の場を設ける

  • 懇親会
  • 歓迎会でない飲み会の開催
  • 同僚を交えた食事会

支援4 上司との定期面談など相談しやすい環境をつくる

相談しやすい雰囲気づくりが必要との意見も多数ありました。入職直後は頼れる人が少ないため、「みんな忙しそうで、相談しにくい」と質問を控えてしまいがち。定期的な面談などを設けることで、相談しやすい環境が整備されることを求めているようです。「医師に限らず、中途入職医師の味方になる人が必要」との意見も。

vol.1でも紹介しましたが、「前の職場と比較すると嫌われる」という認識があるためか、「前の職場との違いを、それとなく聞いてもらえると嬉しい」と回答した医師もいました。

相談しやすい雰囲気・体制づくり

  • 何か問題あれば、相談できる体制があると安心する
  • わからないことを聞いた時には快く対応してくださると幸い
  • 勤務スタイルが肉体的精神的に辛い状況において、不満が出る場合がある。適応を促すだけではなく、勤務体系などの相談に乗ってもらえるとありがたい
  • 違和感などについてフランクに話せる雰囲気づくり
  • 1対1の面談
  • 上司による定期面談
  • 各医師との面談
  • 疑問点の確認を定期的に行う
  • 医師に限らず、中途入職者の味方になる人物が必要。院長、直属の上司・部長、事務長クラスに
  • 以前の職場との相違点を積極的に受け入れてくれる
  • 前の職場との違いを、それとなく聞いてもらえると嬉しい

また、フィードバックについても積極的に欲しいという声も複数あります。

フィードバック

  • 自分への不満は直接言いづらいと思うので、上司経由で伝えてもらえると気付きやすい
  • 良い意見、悪い意見を含めて率直に指摘してもらう
  • なんでもはっきりと言ってほしい

一方で、中途入職者だからといって、「特別扱いは必要ない」という意見も…。

特別扱いは無用。自然に接して

  • 気遣われるとむしろ緊張するので放置してほしい
  • あまり特別扱いをしてほしくない
  • 自然に接していただければいい

中途入職医師の働きやすさには、職場の支援や、上司、同僚の言動が大きく影響することがわかります。

医師の離職対策や定着支援策を検討される上で、参考にしていただけますと幸いです。

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