医療機関の経営を左右する、医師採用。しかし「求職医師が実際にどのような点を重視して、転職先を決めるのかわからない」とお困りのご担当者様も少なくないのではないでしょうか。編集部では、m3.com会員を対象に、転職先を選ぶ際の決定打に関するアンケートを実施。転職経験のある医師308名の回答から、医師の応募を後押しする要素が見えてきました。
※ グラフの数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります
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目次
医師ならでは?応募数は「1件」が最多
ホワイトカラーの転職では、複数の候補先から転職活動を選ぶのが一般的ですが、医師の場合はどうなのでしょうか。アンケートでは応募した求人の数について、「1件」が6割と半分以上を占めました。約9割は3件以下と回答していることから、最初から候補をかなり絞り込んで転職活動を行う傾向にあることがわかります。
もともとの応募数が少ないこともあり、「応募時点で志望度が高かった求人の数」についても、約3人に1人が「0件」、約2.5人に1人が「1件」と回答しています。見方を変えると、応募してもらえさえすれば採用成功の確率が高いと言えます。医師採用においては、まず医師に応募してもらうまでが最も重要なポイントでしょう。
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応募時の志望度を左右する要因とは
それでは、医師はどんな点に惹かれて応募先を選ぶのでしょうか。応募時点で志望度が高かった求人について、その理由を聞いたところ上位10件は以下のようになりました。
年代別の傾向を見てみましょう。40代以降は「業務内容」を重視する傾向が強いのに対し、20・30代は「年収」を最も志望度に影響を与えています。また、若手医師ほど「トップや上司、同僚との人間関係」を気にする傾向が読みとれます。一方で、「アクセス」に関して若手医師はさほど重視しないようです。
このように、志望度を左右する要素は年代によって傾向が異なります。採用したい年代の医師が重視するポイントをおさえて求人内容を改善することで、医師の目にとまる機会や応募につながる確率が向上するかもしれません。
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「事務長の表情」「経営層の人柄」面接での評価を上げたもの・下げたもの
応募の次のステップが面接です。面接で確認したことをアンケートで聞いたところ、「志望度が高かった理由」の上位にランクインしていた要素についてはやはり面接の中で確認した、という声が多数でした。医師の志望度を左右する要因については、求人の中だけでなく面接の場で改めて説明することで、医師の不安解消・志望度アップにつなげたいところです。
その他、「採用面接で応募先への評価に影響したエピソード」としては、条件面だけでなく面接者の人柄や自身に対するニーズの高さなどが多く挙げられました。一部を紹介します。
※一部編集しています
- 3ヶ月後の昇給、院長職の可能性あり
- 院長副院長の人柄。この4月から入職予定ですが、片方のクリニックは全国的に有名なところで、やる気満々な理事長先生だったのですが、じぶんアピールが強めで、ついていけないかな?と思ってしまいました。もう一つの病院に決めましたが、人柄が明るく穏やかで、雑談で話が合ったので、それが決め手になりました
- 面談していただいた事務長の表情がよかった。経営者からの風当たりが強いと事務長の表情が暗くなることが多く応募先がどんな病院かがわかることがある
- 面接後に職員たちが待っていて、「先生、ぜひ来てください。」とお願いされたこと。(中略)その時の院長があまりまじめな方ではなく、職員が苦労していたので、藁にもすがる思いでのことだったようだが、モチベーションが上がったことを覚えている
- 自分をどれだけ評価して必要とされているか
- 病院の面接は土曜日に行ったが、外来は患者さんがいっぱいであふれていた
- もともと志望度が高くなかった面接先、理事長さんが表向き穏やかに比較的高い目標を語られたのですが、こちらとしては全く自信がなく、完全に志望先にはならなくなりました
- 今まで使用経験のある電カルかどうか
【調査概要】
転職先を選ぶ歳の決め手に関するアンケート調査:2021年2月13日~19日、m3.com医師会員を対象に実施。
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