病院事務職キャリア相談室vol.9: 総務課経験者の転職、ニーズはあるのか?ポイントは?

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【質問者】病院事務職(総務課)Tさん

20代後半、男性、現職歴5 年

大学卒業後、300床規模の病院の総務課に在籍しています。入職してから2年は庶務担当、その後は経理を担当しています。与えられた業務をこなし続けて5年が経ちましたが、今後のキャリアを考えると、これという強みがない現状に焦りを感じます。現職では異動は不定期、キャリアパスも不明確なため、転職という選択肢を視野に入れるようになりました。しかし転職サイト等を見ると、医事課の経験者はよく求人が出ている一方で、総務課はあまり見ない気がします。総務課経験者はそれほどニーズがないのでしょうか。

また、今後病院でキャリアアップを目指すならやはり医事課の経験は必須と考えた方がよいのでしょうか? 現職では総務課から医事課への配置換えは望めないため、その場合はやはり他の病院で一から医事を勉強した方がいいかもしれないと思っています。

総務課経験者の転職状況や、注意すべきポイントについて教えてほしいです。

【回答者】雪竹舞子(事務職専門コンサルタント)

医療事務職キャリア相談室

ご質問ありがとうございます。Tさんのように「総務課はキャリアプランをイメージしにくい」という声は、少なからず耳にします。

まず、総務課経験者の転職状況についてお答えします。基本的に総務課より課の規模が大きいこともあり、たしかに医事課関連の方が求人は多いです。たとえば弊社の関東エリアでお預かりしている求人ですと、全体の5割が医事課系、2割が総務課系の求人です。ただ、総務課は医事課に比べ転職しにくいかというと、そんなことはありません。Tさんのご希望や意欲次第で、十分可能性があると思います。

それでは、総務課の転職ではどのような点がポイントになるのでしょうか。

まず大前提として、Tさんの今後の方向性を確認する必要があります。Tさんは特定の業務に精通したスペシャリストを目指したいのでしょうか。あるいは、院内全体を見渡すジェネラリストになりたいのでしょうか(キャリアパスの概要についてはコチラをご参照ください)。その点をふまえた上で、留意すべきポイントとしては次の2つが挙げられます。

まず1つ目は、各医療機関のニーズを把握した上で応募する、という点です。一口に「総務課」と言っても、たとえば人事・労務や経理・財務、購買などが全て総務課の業務に含まれる医療機関もあれば、それぞれ個別に課を設けているところもあります。このため、同じ総務課の募集であっても、医療機関によって“採用したい人物像”が大きく異なるケースが往々にしてあるのです。求人に記載されている担当業務を確認してみれば、「人事がメイン」「経理も含む」など、各医療機関のニーズがわかります。ご自身の経験やスキルを活かせる環境かどうか、ある程度見定めることができるでしょう。ただし、経験とニーズが一致している場合でも、未経験の業務が出てくる可能性は高いです。また、キャリアアップを目指すのであれば幅広い業務を経験することが大切になってきますから、積極的に学び柔軟に対応していく気概が求められるでしょう。

2つ目は、これまでの業務内容やご実績を整理することです。転職市場においては「何をして、どのような成果をあげたのか」を明示できるかどうかが重要になります。Tさんは庶務や経理を担当されていたとのことなので、たとえば「職員◯名の給与計算を◯名で担当」といった業務処理能力や、携わったプロジェクトおよびその結果について、数字を使って具体的に示していただけると、評価につながりやすいでしょう。この機会に過去のエピソードを振り返ることは、ご自身の強みややりたいことを明確にする上でも有効だと思います。

また、キャリアアップのためには医事課の経験が必須とお考えのようですが、必ずしもそんなことはありません。事務長および幹部候補にはレセプト業務の能力よりも、戦略的に施設基準の取得や病床の転換、適正な人員配置等を実施できる経営的な視点と実行力、調整力といったスキルが問われます。Tさんはまだ20代ですので一から医事課へチャレンジすることも可能ですが、総務課から事務長へのキャリアアップをかなえる道もありますので、ご自身のやりたいことを軸にご検討いただくのがいいのではないかと思います。

《まとめ》

(1)総務課の求人は医事課ほど多くはないが、一定数存在する
(2)求人の募集職種だけでなく、担当業務についてもきちんと確認する
(3)自分の経験業務、実績を可能な限り数値でもアピール(例:前年比◯%のコストカットに成功 等)

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雪竹舞子(ゆきたけ・まいこ)
エムスリーキャリア株式会社 経営支援事業部 事務職紹介グループ
大学卒業後、企業にてBtoC営業とセミナー企画・運営に従事。兄弟が先天性の疾患を抱えていたことから、思い入れの強かった医療業界に飛び込むべく、エムスリーキャリアに入社。現在は、前職での営業経験も活かしながら「顧客ファースト」を信念にキャリアコンサルタントとして活動中。趣味はミュージカル・舞台鑑賞で、月1回の鑑賞を欠かさない。

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