「AとBの医師、どちらかを採用しなければならないとしたら、どちらを選びますか――?」。この「究極の選択アンケート」にm3.com会員の医師1605人が回答し、専門職の医師にとって重要な「スキル」が高い医師と、その他の点で秀でた医師を比較しました。採用したい医師の資質として「スキルが高い」よりも評価が高かった3つのポイントをご紹介します。
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目次
1.モチベーションが高い
まずは、モチベーションが高い医師です。
「スキルは抜群だが、モチベーションが低い医師」と「モチベーションは高いが、スキルは乏しい医師」の比較では、モチベーション重視派が55.6%となり、スキル重視派の44.4%を上回りました。
年代別では、最もモチベーションを重視するのは30代(モチベーション重視派59.2%、スキル重視派40.8%)で、最もスキルを重視するのは20代(スキル重視派48.6%、モチベーション重視派51.4%)という結果になったものの、どの世代でも、モチベーション重視派が過半数を占めました。世代に関わらず、モチベーションが高い医師を採用したいと考えているようです。
診療科別では、モチベーションを重視する人の割合は消化器内科(66.2%)、整形外科(64.0%)、外科(61.9%)の順に多く、理由としては「モチベーションが低い人間は周囲に悪影響。スキルの低さはチームでカバーする」(外科)など周囲に与える影響を懸念する声が挙がりました。
一方で、スキルを重視派の割合が多いのは内分泌(60.0%)、産婦人科(56.1%)、麻酔科(56.1%)の順で、「スキルが乏しいと医療事故につながるから」(産婦人科)などトラブルを回避したいという理由が目立ちます。
また、職位が上がるにつれ、モチベーションへの評価はより高まり、理事クラスは66.3%、院長クラス(正副含む)は59.5%が「モチベーションは高いが、スキルが乏しい」医師を選んでいます。採用に関わる機会が多い役職がある医師ほど、モチベーションを重視する傾向にあります。
周囲のスタッフの士気に影響する
モチベーションを重視する理由として、採用に関わる機会が多いとみられる、部長クラス以上の医師の声を紹介します。(以下、ほかの項目も同様)
モチベーション重視派の声(部長クラス以上)
※一部編集しているものもあります
- モチベーションが高ければ、スキルは身につく
- モチベーションが高い方が、教育で伸びる可能性もあり、チームとしてのモチベーションにも影響する
- スキルは代診でカバー出来る。モチベーションが高いと勤務を長く続けてくれる
- モチベーションが高い方が、患者受けが良い
- やる気のない医者と仕事はしたくない
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2.ストレスに強い
2つ目はストレス耐性があることです。
「スキルは抜群だが、ストレスに弱い医師」と「ストレスに強いが、スキルは乏しい医師」を比較した結果、ストレスに強い医師を選ぶ人が56.3%と、スキルの高い医師を上回りました。
どの年代もストレス耐性重視派が過半数を占めますが、特に若い世代ほどストレスに強い人を選ぶ傾向にあり、20代は59.8%、30代は59.2%が選んでいます。逆に60代以上は、ストレス耐性重視派50.5%、スキル重視派49.5%とほぼ同数でした。若い世代ほど、医師はストレスの高い仕事だと感じているのかもしれません。
ストレス耐性を重視する診療科は多い順に、腎臓科(70.3%)、消化器外科(68.8%)、精神科(68.1%)で、「ストレスに弱いと稼働率が下がるため、周りへの影響がより大きくなる」「同じ環境でもストレスに弱い人は突然辞めるリスクが高く、その場合残った人間への負荷がかかる」(腎臓科)など、離職による周囲への負担増加などを理由に挙げています。
スキルを重視する診療科は、循環器科(71.4%)、糖尿病(62.1%)、内分泌(60.0%)などで、モチベーションとの比較と同様に、「スキルはトラブルに直結するので」(内分泌)という意見がありました。
また、職位別では大きな違いはなく、どの職位でもストレス耐性が重視されていることがわかります。
休職、離職のリスクを懸念
部長クラス以上のストレス耐性を重視する理由としては、「医師は肉体的にも精神的にも負担の大きな仕事」「ストレスに強くないと、医師はやっていけない」など、医師として働く上で重要な資質として捉えているほか、ストレスに弱い医師には、休職、離職のリスクがあるという懸念もあるようです。
ストレス耐性重視派の声(部長クラス以上)
※一部編集しているものもあります
- 医師の最も重要な資質としてストレスに強いことがあげられる。これはスキルと違い鍛えようがない
- ストレスに強くないと医者はやっていけない。メンタルの弱い医師に仕事は任せられない
- モンスターの患者が増えている現在、耐えられる人材が大事
- 医師は肉体的にも精神的にも負担の大きな仕事であるから
- 医師であれば常にストレスにさらされており、ストレス耐性がないとスキルを活かせる場面が限定されるため
- スキルは指導によりレベルアップできる可能性があり、そのためにストレスある仕事や課題を与える可能性があるため
- (ストレス耐性がないと)スキルがあっても頼れない
- ストレスに弱い場合、休職、離職のリスクがある
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3.長期間勤務できる
3つめは長期間の勤務ができることです。 「スキルは抜群だが、短期間で離職する医師」と「長期間働いてくれるが、スキルは乏しい医師」の比較では、69.8%の医師が「長期間働いてくれる」を選びました。
年代に関わらず、70%前後が長い期間働いてくれる人を選んでいます。
診療科別にみると、スキル重視派が過半数を占めたのは、循環器科(57.1%)のみで、長期間働いてくれる医師を選んだ診療科は、多い順に内分泌(90.0%)、麻酔科(77.3%)、循環器外科(76.5%)など。「短期間で離職は体制作りが難しい」(麻酔科)との声がありました。
また部長クラス以上の職位では、長期間働く医師を支持する人が70%を超え、中でも部長クラス(正副含む)は73.0%が選んでいます。
早期離職は、病院運営や患者、スタッフへの影響大
部長クラス以上が長期間勤務を重視する理由は、医師にすぐに離職されると、「診療計画や長期戦略が立てられない」「患者さんや周囲のスタッフのためにならない」など病院運営に影響するというものが多いようです。
長期間勤務重視派の声(部長クラス以上)
※一部編集しているものもあります
- いなくなる医師は仕事を任せられない
- すぐに離職するようでは診療計画が立てられない
- クリニックとしての長期戦略を練られるから
- 医師の獲得が困難
- 医師が頻繁に変わると医院の評判が落ちる
- 患者さんとの付き合いが大事なので
- 急な離職は周囲に悪い影響をもたらす
- 高スキルで、短期しかいないと体制がかきまわされるから
- 時は金なり。時間があればスキルを磨ける
以上、医師採用の際にスキル以上に重視されるポイントをご紹介しました。
各ポイントでは、「スキルは教育次第で伸ばせるから」という理由で、高スキルの医師を選ばなかったという人も多く見られました。入職後に周囲が影響を与えられる可能性が低い資質や条件ほど、スキルと比較にしたときに魅力に映るのかもしれません。
【調査概要】
期間:2020/12/3~12/4
対象医師:m3.com登録医師1605人
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