「医師と面接しても、なかなか入職に至らない」。こんなお悩みはないでしょうか。医師が応募した後の志望度を左右する要因とは、いったいどのようなものがあるのでしょうか。編集部では、m3.com会員を対象に、転職先を選ぶ際の決定打に関するアンケートを実施。転職経験のある医師308名の回答から、応募後の意思決定要因について考えます。
※ グラフの数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります
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目次
- 面接だけじゃない?求職医師の志望度が上がったタイミングとは
- 「どうしてもと懇願され」求職医師のモチベーションが上がった瞬間
- 約4人に1人の医師が「応募時より志望度下がった」
- 業務内容・年収以外も…求職者の志望度を下げてしまう要素とは
面接だけじゃない?求職医師の志望度が上がったタイミングとは
実際に、応募時より志望度が上がった求人があったかどうかを聞いたところ、半数以上は「なかった」と回答しました。応募時にある程度心を決めている、という医師が多数派のようです。一方で、5人に1人は「あった」と回答しました。応募を増やすための取り組みだけでなく、応募した後の対策が重要であることは間違いなさそうです。
それでは、求職者の志望度が上がるのはどのようなタイミングなのでしょうか。アンケートでは、「面接・病院見学」が23.7%で最多となり、続いて「応募後から面接まで」が16.2%となりました。面接対策だけでなく、面接前のコミュニケーション・情報提供を意識的に行うことで、医師の志望度アップにつながるかもしれません。
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「どうしてもと懇願され」求職医師のモチベーションが上がった瞬間
志望度が上がった理由は以下のようになっています。面接時や応募前後のやり取りの中で、こうした点について具体的かつ根拠のある説明ができるか、が重要と言えるでしょう。
具体的に志望度が上がったエピソードについては、実際に職場の雰囲気を見て、経営層と話したことで条件や印象がより良くなった、という回答が多く寄せられました。医師の声を一部紹介します。
※一部編集しています
- はじめに言われた年収より200万プラスで言ったら、救急をしてくれるならOKとアップしてくれた
- 面談時の3ヶ月後の昇給の話と面談後の3ヶ月後の院長職の話
- 退職金制度や交通費で高速料金が含まれたことなど
- 職場の感じが良かった
- 院内を見たり、スタッフと話すとなんとなく雰囲気は分かる
- そこで元勤務していた知人の情報も合わせて、印象はほぼ固まった
- 面接時の医局医師や院長などの対応で働いてもいいかなと決断した。年収は高いに越したことはないが、もうそんなに稼がなくてはいけない年令ではないので、体力と周りの同僚が合うかを重視した。
- 内科医として働いているのですが、元々心療内科をやりたかったので、大学に編入して心理学を勉強していました。オンライン面談の段階で話を聞いたときに、精神科への転科はアリだし、指定医をとるためのフォローはしてくれると院長先生からの言葉があり、40後半のおじさんになったけれど今がラストチャンスだなと確信しました
- 勤務時間に比較して年収が大はばにアップ。トップが時間外の患者来院により面接を早々に切り上げるほど患者さん目線だった
- もうひとりの部長にどうしてもと、副院長にもどうしてもと懇願された
- エージェントから聞いていた内容が、実際に病院の職員から直接聞いたうえで質問が出来たから
- 比較的自身の裁量に任せてもらえる
約4人に1人の医師が「応募時より志望度下がった」
一方で、志望度が下がるのはどのようなケースなのでしょうか。アンケートでは、25.6%の医師が「応募時より志望度が下がったことがあった」と回答しています。志望度が上がったことがある、と回答した医師よりもやや多いことをふまえると、医師のモチベーションを下げないための対策も重要と言えるでしょう。
志望度が下がったタイミングとしては、上がったタイミングと同じく「面接・病院見学」が17.5%で、「わからない」をのぞくと最多となりました。面接前後でもそれぞれ1割弱が「下がった」と回答しています。
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業務内容・年収以外も…求職者の志望度を下げてしまう要素とは
志望度が下がった理由については、「トップや上司、同僚」「理念やビジョン」が上位にランクインするなど、条件面以外での理由がやや多い傾向にあります。面接者のコミュニケーションのとり方や話す内容について、できれば予め練習しておくなど求職者視点を意識した事前準備が大切と言えるでしょう。
志望度が下がった具体的なエピソードでは、途中での条件変更や経営方針への不信感、面接者に対する印象などを挙げる声が多く見られました。志望度が上がったエピソードと併せて、求職医師対応の参考にしてみてください。
- こちらの真剣度が足りなかったのか むこうも真剣に採用したいって感じはなかったですね
- 試用期間に常勤職員の勤務具合をみて
- 院長が内定の連絡をした後に事務方から難癖をつけられたらしく、最初の条件とは異なる条件での採用となったため、不信感を持った。結果、そのクリニックの内定は断った
- 病院の近くにコンビニなどがない。駅からアクセス悪い
- 面接後条件の提示などがあった際、数年後のビジョンや業務内容を確認した際に、徐々に業務負荷が増加していくことがわかった
- 最初熱心に誘っていた先方の理事長がいざ直接面談の前の段階になって逃げ始めた。こちらに思い当たる理由はなく、不誠実な態度と思ったので中断した
- 直前に条件が悪化したから
- 自分に期待しているものと、自分の希望している診療とのミスマッチ
- 就職時に、患者とのトラブルは事務方が処理するので、検査や治療をやりまくれ、と言われた。また、就職後数年して、カネを払っているんだからもっと働けと言われた。その他、医の倫理に反することを日常的に話す経営者だった。
- やりがいはあまりなく、セカンドライフと納得
- 面接時にやりがいと同僚の人格が合わないと
- 自分では期待された数字を出せないと感じたから
- 年収が低い。働きを評価されない
- オンライン面談の段階では全国的にも有名なクリニックだし、是非うちにと言っていただけたのですが、実際に現地に伺って直接お会いしたところ、人柄が自分とは合わないかな?と思うところがあったことと、これまでの仕事の延長で出来るのはいいけれど、長年やって来た仕事内容にやや飽きてきていたところもあったので、自分が本当にやりたい仕事ではないようだということがわかったので、そちらはお断りしました
- 同僚の年齢がみな高く、研修医扱いされることが予想された
- 理事長の親が出てきていろいろ取り仕切っていた。やや高圧的で、気分が悪かった
- 60歳役職定年制、年収減収
【調査概要】
転職先を選ぶ歳の決め手に関するアンケート調査:2021年2月13日~19日、m3.com医師会員を対象に実施。
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